2015年7月26日

エンドファイト

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何だか、最後の底力みたいな語感ですが、実は全然違って、
植物体内で共生的に生活している真菌や細菌のことです。
endo(within)とphyte(plant)からの造語。

最近、自然農でいうところの「補い」ということについてよく考えます。

慣行農法では、
基本的に何かを植えると、土の中の肥料養分が吸い上げられ、地力がなくなってしまう、
だから栽培には施肥が不可欠である、と考えます。

これが自然農では、
枯れて腐敗した草や根、それに目に見えない微生物群や昆虫・菌類などが土の中で
死滅・再生を繰り返して循環するため、
施肥をせずとも、地力は「自然に」ゼロバランスを保とうとする、という考えです。

外部から肥料分を与えなくとも、
植物は土中から「エンドファイト」を取り込んで共存共栄している、
そういうことが科学的にも解明されるようになってきました。

自然の土中には微生物が大気中の窒素を固定するような環境が
あらかじめ備わっています。
土中には想像を超える大量の微生物( 雑草が生えるような土壌には、
4000㎥中におよそ2トン!) が生息しているのだそうです。

そうして、何か植物が植えられると、それに対して共存する状態を作り出すような
特定物質が出されたり、逆に植物の根から仮眠状態の微生物を揺り起こす物質が
出されたりしている、ということがわかってきました。

大豆根粒菌のことはよく知られていますが、
土中の微生物が作り出す窒素量は、
これを自然に任せた場合には、慣行栽培の化学肥料がまかれた畑に比べると、
およそ3 倍という高い値を示すのだそうです。

だからね、
そういうことを全く無視して、窒素・リン・カリ等の化成肥料や、
除草剤、殺虫剤、消毒剤なんかをガンガン投入しちゃうと、
そりゃ、いい時はいいだろうけど、
土だっていずれ機能不全を起こさないわけがないだろうと思います。

しかしまぁ、
自然農といって、できるだけ自然に任せて何もしないわけですが、
かといって、自分の食べる野菜ぐらいはきちんと収穫したい。

そこで、どう手助けするかというのが自然農のキモだろうと思います。

それも、EMとか外部から微生物を持ち込むんじゃなくて、
収穫したい野菜が、それなりに収穫できるように、
そこの土中の微生物群がより働きやすい環境を作り出してあげないといけない。

外部から、その場に野菜を持ち込むわけだから、
やっぱり、そこは、人為的に、
その野菜たちが微生物群と共存・共栄できる環境を、
ちゃんと気配りして、整えてあげないといけないと思うのです。

全てが同じ環境の土なんてひとつもないわけだから、
同じ野菜を植えるにしても、その圃場に応じた手助けのあり方は全て異なります。
それをうまく判断できる観察力と対応力が求められます。

「肥料」ではなく、土中の自然サイクルを過不足なく手助けするための「補い」。
そのあり方を考えています。

2015年7月25日

クローニャと梅の天日干し

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梅雨明けして、今日は太陽がガンガンです。
ようやく夏がやってきた感じです。
野良猫のクローニャも、これはたまらん。
朝から日陰で伸びています。

 
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土用に入ったので、ようやく梅の天日干し。
今年はほんのちょっぴりですが、まだ一昨年のも残っているので、少しで大丈夫。
昨日の午後から干し始めたのですが、
日差しがかなり強くて、もう干し上がったみたいです。

でも、そのまま朝露にあててもう一日。

 
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最後のひと枝の桃。
こちらも枝に4個ついていたのですが、開封してみると2個は落ちていました。
「木成り完熟」というやつですね。
しかし、味はこの間の、「完熟一歩手前」が最高でした。

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2015年7月22日

それでももも。

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これまで、
せっかく袋掛けした桃の実のほとんどが袋の中でダメになったのだけれど。

いい加減に枝ごと角2の封筒を被せていた袋を開いてみたら、
枝には、すべての実がちょうど食べ頃に熟していました。


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被せた袋の隅のセロテープ越しに、
ちょっと熟れた色が見えたので外してみたのでした。

うん、袋を被せちゃうと、中の熟れ具合がよくわからないから困っちゃうんだよね。
こんなふうに一部が透明になっているといいんだ。

それにこんなふうにいい加減に枝ごと覆っちゃったのだけれど、
これがかえって中まで虫が入れなくてよかったのか、
それとも偶然にうまくいっただけなのか。

それに、
この枝は木の下の方についてたから、見逃して摘果しなかった。
だから、細い枝に4個もついています。
でも、これぐらい大きくなるんだったら、そもそも摘果する必要もなかったんじゃね?

ちょうど隣の細い枝に、たぶん同じぐらいに実がなっている袋が残っています。
これも落果せずについているようなので、、近いうちに開封してみます。
さてさて、どうなっていることやら。
袋掛けも、なかなか奥が深い。


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ゴーヤの花。こちらはまだ雄花ばかり。


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この季節、定番のささげです。
ちらほらと花が咲き、日本の角のような実が伸びてきています。
これはあまり色がないですが、
日によっては、とてもきれいな淡い青紫の花びらになります。


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そして、モロヘイヤの花。
苗を移植してすぐに実がついてしまいました。
その実は毒だそうですが・・・。

まだ収穫もしていないのに、実がついて花が咲いちゃう。
何でだろう。
調べてみると、生育適温が25℃以上ということで、
早い時期の温室苗を露地植えにすると、
梅雨時の低温期なんかに、秋が来たと思って花を咲かせちゃうみたいですね。

これは摘花した方がいいようです。
これまであまり成長せず、硬そうな葉っぱばかりでした。

それでも、ようやく梅雨明けもしたので、気温も上がることでしょう。
50cmぐらいに伸びたら摘芯。
これから大きく伸びて、
どんどん柔らかい新芽がでてくればいいなと思っています。