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2008年7月30日

葵貝(アオイガイ)を拾った

aoigai.jpg


The early bird catches the worm.
いわゆる、早起きは三文の徳というやつだ。

子どもたちが海遊びに来るからと、朝起きて海岸清掃をしていたら、
何とも珍しいものを拾った。葵貝(アオイガイ)。
「貝蛸」が作った殻だそうだ。11cmぐらいかな。

貝蛸の雌ダコは太い第一腕から石灰質を分泌して、この貝殻をつくる。
蛸は、みんな昔は貝だったんだ。
そうしてその腕で貝をかかえ、中に卵を産む。


aoigai_tohoku.jpg
from 東北大学理学研究科附属浅虫海洋生物学研究センター

蛸は漏斗から海水を吹き出して、殻を進めることもできるって、
そりゃー、あの生きた化石といわれるオウムガイみたいなもんだ。

やがて海の表面で卵が孵り、
子供たちは泳ぎ去り、母は貝を捨てて新しい生活を始める。


海からの贈物 (新潮文庫)
という本を読んだことがありますか。


そこに、「たこぶね」という章がある。

たこぶねも蛸貝と同じ仲間、舟蛸の殻だそうです。
この本で不思議な貝(蛸?)がいるものだと記憶に残っていたので、
本物を見てみたいと、ずっと思っていました。


この本は、リンドバーグ夫人の著。
単独飛行で世界で初めて大西洋横断を果たしたという、
「翼よ、あれがパリの灯だ」の、
あのリンドバーグ大佐の妻ということになる。


女性の立場として云々という書き出しだから、
どうだろうと思って読んでみると、
これが結構おもしろい、それになかなか深い。


この中でスコットランドの哲学者マックマレーの引用というのがあって、

「・・・それ以外に何の目的もなくて、
   特定の利害関係に基づいてもいなければ、
   一部的な、限られた理由から結ばれるのでもなくて、
その価値は全くそれ自体だけにあり、それ故に他の凡ての価値を超越する。
そしてそれは、それが人間と人間の、人間としての関係だからなのである。」


うん、
つまり見返りを求めるような施しなら、最初からするなということだ。

ボランティアという言葉は、どうも気恥ずかしくて嫌だけど、
「お返しをもらったら、誰も悪い気はしないだろう」
みたいな丸め込まれ方は、私はどうも胡散臭くて好きになれない。

同様に、
「結局は、儲けがないと誰もついてこないから」
みたいな言い草も、反吐が出るくらい嫌いだ。

本当にやりたいことがあるなら、一人でもそれをやる。
そうでしょ。

そこに、儲けや利害関係がないとやらないというのなら、
そんなものやらなきゃいい。

結局それは、アンタが本当にやりたいことじゃないんだ。

本当にやりたい人となら組めるけど、
そうじゃなきゃいいよ。
自分一人でやる。
ヒトリデダッテ、デキル。


また、ブレークの詩の引用に、

「喜びを自分のために曲げるものは
 翼がある命を滅ぼすが、
 通り過ぎる喜びに接吻するものは、
 永遠の日差しに生きる」

というのがあった。

まさに、ココロドス、ですね。


「・・・完全に調子が合っている二人の踊り手は各自の、
   そしてまた相手のうちにある"翼がある命"を決して滅ぼさない。

   しかしこの踊りの技術を、我々はどうしたら覚えることができるだろうか。
   ただそれがあれほど難しくて、我々は躊躇したり、躓いたりばかりしているのだろうか。
   我々が前の瞬間に縋り付いたり、次の瞬間に待ちきれずに手を出したりするのは、
   恐怖からだと私は思っている。恐怖が"翼がある命"を滅ぼすのである。」


恐怖。恐怖。
ああ、恐怖か。
何をそんなにビビってんだよ。
誰もアンタのことなんか、取って喰いやしないよ。

自分は社会に受け入れられなくなるのではないかと思う恐怖。
誰かに後ろ指を指されるのではないかと思う恐怖。

もう、誰かに愛してもらえなくなるのではないかと思う恐怖。

そうして、一番重く圧し掛かるのは、
自分はこの先食っていけなくなるのではないかと思う恐怖。


それが怖いから、
好きでもない人にヘイコラして、好きでもない仕事に時間を費やす。

いや、もっと複雑だな。

たいして好きでもない人に調子を合わせて、
たいして好きでもない仕事を朝から晩までやって、それなりの給料を得る。

もっと、日常的?

楽しいことばかりじゃないけど、嫌いじゃないよ、今の生活。

ま、それでもいい。
そんなふうに、いつまでも道化て、毎日油売ってればいいさ。

真綿のようにまとわりつく恐怖に、Killing me softly、だ。


チーナカさんは、軽いステップで、もう次のステージに踏み込んだ。
「田舎暮らしのカフェ」で売り出したカフェ物件にも、
結構たくさん問い合わせが来ているみたいです。

都会暮らしに、もううんざりして、
残りの人生を田舎で何か始めたいと思うなら、
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