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2014年12月11日

鹿の解体、そして燻製。

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しばらく九州に出かけていました。

こちらでも出雲の平田のあたりは鹿がよく出るようですが、
このあたりは何といってもイノシシ、それにサル。
ところが福岡や大分の方は野生のシカがものすごい。

畑も田圃も、高い柵にして網を張っているところがほとんどです。
寝ていても、夜になるとウラ庭の方にシカが歩いているような物音がします。
あちこちで、ピーといった笛を鳴らすような声が聞こえてきます。

そんな具合だから、鹿のワナもあちこちにかけてあって、
とにかくシカがよく捕れる。

島根じゃ、イノシシの肉が結構ちまたに出回っていて、
「イノシシは要らんか?」と言われても、「もう冷蔵庫にいっぱい」と言って拒否されるケースが多い。
店で買えば、ものすごく高いのだけれどね。
その扱いが、九州じゃ「シカの肉」です。

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ところ変われば何とやらで、
地元の人は、「イノシシなら旨いけど、シカ肉はちょっとねぇ」、ということになる。
捕って解体しても、
猟師さんたちは、いちばん柔らかくておいしい背の肉だけを切り取って、あとはポイ。
だそうです。

もったいないね。

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私としては、どちらかというとやっぱりシカ肉の方がだいぶ上等な気がします。
脂身が少なくて、赤身がまるでくじら肉のようです。
筋さえきちんと取れば、固くもなくて、いろんな素材に合わせった調理ができます。

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解体に立ち会って見ると、
まず首を落として、皮をはぐ。
よく切れるナイフがあれば結構簡単そうです。
そして内蔵を出せば、肉は意外とあんまり取れないですね。

大きく分けて、前足、後ろ足、ろっ骨のリブ、それに背肉といったところ。
前足、後ろ足は、筋をていねいに取るのが結構面倒です。
ろっ骨は塩茹でするだけで食べられて、とっても美味。
背肉は柔らかくて上等。
いったん冷凍して刺し身で食べる人も多いようですが、
やっぱり火を通した方が安心ですね。

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野菜炒めにしたり、焼きそばに入れたり、
臭みもなく淡白なので、使い勝手がとてもいいです。
たくさんあると、贅沢に毎日シカ肉料理が味わえます。
あればあったで、日常がそういう生活になります。

そして、定番のシカ肉の燻製。
塩胡椒とハーブとワインに漬け込んで、さっそく簡易燻製器でやってみました。
チップがなかったので、苦肉の策でビワの葉っぱを燃す。
これがなかなかいけました。

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