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2013年10月27日

「衣食インフラ」

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ここのところずっと偏頭痛が取れなくて、
気圧の変化のせいかなぁと思っていたのですが、
よくわかりません。

でも、台風も過ぎ去ってようやく秋の空が戻ってきました。
今日一日おひさまが照れば、田圃も稲もいい具合に乾くと思います。
明日からまた楽しい稲刈り。


ところで、生活の基本はやっぱり「衣食住」です。
そのうちでも、日々必要な「衣食」の自給を考えます。


「食べること」でいえば、
お米と味噌、それに季節の野菜があれば、だいたい食べていくことができます。
もちろん贅沢を言えばきりがないですが、
自分で作ったお米や味噌や、採れたての野菜が、
貧しい食事かといえば、決してそんなことはないわけで、
本当は、それが一番おいしくて、贅沢な食べ物に違いありません。

ズブズブの都市生活から田舎に越してきた当初は、
時折、ジャンクな食べ物や、ファーストフードが衝動的に食べたくなりました。
でも、何度かそういうことがあって、
実際に食べてみると、どうも以前ほどおいしくない。
というか、食後感がすごく悪いということに気づいてしまいます。
するとそのうちに、もう本当に要らなくなってしまいます。

別に私はベジタリアンじゃないですが、
実際のところ、肉や魚だって、どうしても毎日食べたいというわけじゃない。

だったら、自給農で充分じゃないかと思うのです。

もちろん何から何まで、
食べるもの全部を自分で作ったり、加工したり、はすごくたいへんだけれど、
自分でできることはできるだけ自分でやるようにすれば、
「自給農+アルファ」で、
普通に楽しく暮らしていけます。


そこでもう一歩踏み込んで、
自分でできることには限りがあるけれど、
例えば、自分で作れない作物や加工品を、他の人が作ってくれたりすれば、
お互いに余剰を分かち合ったりすることができます。

そうすると、日々の食事だって、
そうしたいと思えば、
もっと豊かで、もっとバラエティに富むものにすることができます。


  
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じゃ、そういう生活をするために最低限必要な、
「生活インフラ特定物品」としては、
どういったものがあればいいんだろうと考えてみました。


■食料品
まず、基本調味料のさしすせそ。
*砂糖
*塩
*酢
*醤油
*味噌
味噌は誰でも簡単に作れます。
塩や酢や醤油も作れないことはないけれど、
砂糖も甜菜かサトウキビが栽培できれば何とかなるもしれないけれど、
やっぱりちょっと手間がかかるから、専門に作ってくれる人がいればいい。

*米、麦(大麦、小麦、ライ麦)、大豆
田畑があれば、だれでも作れるけれど、
作れない人もいるし、量が必要なこともあるので、
こういう基本穀物をたくさん作ってくれる人がいればいい。
また、シェアできる粉挽き機等があればいい。

*油
これもナタネやヒマワリやオリーブなんかをたくさん栽培して、
これを専門的に絞ってくれる人がいればうれしいですね。
また、シェアできる搾油機等もあればいい。

*肉と乳(牛、豚、羊、ニワトリ)
まぁ、羊や豚やニワトリぐらい自分で飼えばいいのだけれど。
土地とか餌の確保とか、それはそれで誰もができることじゃないので、
やっぱり専門的にやってくれる人がいるとうれしい。


と、基本的にはこれぐらいなもので十分じゃないかな。


これらの作物は、もちろん無肥料、無農薬で作ったもの。
加工品も、添加物なしの昔ながらのシンプルな製法で作られたもの。
これだけで、もう最高でしょ。


でも、誰かがやってくれるなら、
作り手の顔が見える、
安心、安全な食のバリエーションは、たくさんあればあるほど楽しい。


*麹
昔はどこのまちにも麹屋がありました。
味噌、醤油、酒等、発酵食品の基本。

*乳製品や肉加工品
バターやチーズや、ハムやソーセージ等

*豆腐や揚げ
まぁ、自分で作ればいいのだけれど。

*くだもの、茶、ハーブ、香辛料
これも自分で果樹や茶葉、ハーブなんかは育てればいいのだけれど。
熱帯系の香辛料など気候的に育たないものは仕方ありませんが。

*ハチミツ
餌に砂糖水なんかを与えていない、日本ミツバチの純粋なハチミツ。
もちろん、自分で養蜂すればいいんだけれど。

*酒、ワイン等、アルコール類
自分で作って楽しめばいいわけだけれど。

あと、
海が近ければ魚介類を獲ってくることもできますが、
これだけ海が汚染されてしまうと、食べるのにちょっと腰が引けてしまいます。
そして何よりも、日本人の基本、昆布とかつお節。
これには正直、困ってしまいます。

だからといって自分で作り出すこともできないため、
何か代替物を探すか、仕方なく買い求めるしかありません。

その他、
パン屋や製麺屋、乾物屋、漬物屋などのお店や加工品店が増えれば、
それはそれでうれしいですね。


■衣料(着るもの)
現在では、衣料の自給率が限りなくゼロ%です。

ガンジーみたいに、糸車から始めるのは素晴らしいけれど、
いきなりそこからのスタートが無理だとすれば、
せめて戦前・戦中の日本がそうであったように、
裁縫の基本技能さえ身に付ければ、布と針(ミシン)と糸さえあれば何とかなる。

*麻、木綿、絹
将来的な完全自給のために、
衣服の原料となる麻、木綿、絹等の栽培を行う。

*織りと染め、製縫
布に仕上げるための技術、衣服を仕立てるための技術。
織り機など、シェアできる機械があればいい。

 

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食べるものだって、着るものだって、
本来は、機能的でシンプルなものが少しあればいいはずです。

あと、それにどんな彩りを添えるか、どうやって着こなすか、
それは各自それぞれの好みや個性で自由にやればいいのだから。


ほら、これくらいの事なら、
持続可能な心地よい暮らしの地域(まち)づくりなんて、
結構すぐにでも実現できちゃうんじゃないかという気がします。

いや、かなりしてきました。(・・・続く)