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2013年9月 4日

遠出

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稲の穂が出て、刈り取るまでの束の間と思い、
少し遠出をしてきました。
本州最南端、潮岬の白灯台。

世の中には、ただ受け入れるしかない現実もたくさんあります。
昨今は、異常気象なのか熱帯化なのか、
カンカン照りの日が続いたかと思いきや、スコールのような土砂降りの雨。

ウチは大丈夫だけれど、
せっかくの田畑が水浸しになっても、誰にも文句が言えません。

 
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見上げれば、くるみ。

3.11以来、
もう東日本には行くことはないと思っていたけれど、
以前お世話になった方に会いに、信州長野まで足を伸ばしました。

3.11以来、
被曝した福島の現地に何度も足を運び、
我が身を顧みずに放射能汚染の実態調査を行っていた方ですが、
とうとう不治の病に倒れました。

多発性骨髄腫、ステージ3。
日本では10万人に2、3の割合でしか発病しない病気です。
原因は不明とされますが、多量の化学薬品(ダイオキシン、ベンゼンなどの溶剤)や
放射線にさらされたりすると発病の危険性が高まるとされています。

そんな病気ですから、原因は自らが一番よく知っています。
劣悪な環境の現場に、誰よりも先に乗り込んで行くタチですから、
科学的には証明されていない因果関係を、身をもって証明したかのような発病です。

そんなリスクは当然わかっていました。
科学者である本人が、誰よりもよく理解していたことです。
それでもやはり現場に駆けつけずにはいられなかったのだと思います。

その生き様がある種の美学だったとしても、やっぱり哀しいですね。
病床にいても、まだ福島にやり残した仕事があると言う。
何というか、ただ受け入れるしかない現実です。

 
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道端のリンゴの実が赤く色づいていました。