カエルと草取り
田圃の草取りをしようと思って、干していた軍手に手を伸ばすと、
緑色のアマガエルがそこで眠っていた。
仕方がないから、それはそのままにして、別の軍手を探しに行った。
そうすると、こちらにもアマガエル。
あれ、ここにもアマガエル。
何してんだろう。
みんな黒い目を見開いたまま、じっと動かない。
「クロージョアイ」といっても、カエルは目をつむれないんだ。
結局、夕方帰る頃になっても、それぞれのアマガエルはそこでじっとしたままだった。
決して平らなところじゃなくて、
上を向いたり、逆さになったりしながら、みんな哲学的に沈思黙考しているよう。
それはさておき、太郎の苗も順調に分けつが進んできました。
草取りの時は、畝にまで水が上がらないように水位調節をして草取りをします。
こんな感じで条間がきれいになるととっても気持ちがいいのですが、
この草取り作業が結構たいへんです。
油断をすると、こんな風にヒエが生えてきます。
こいつが驚くほど成長が早くて、
あっという間に四方八方に下品な枝葉を伸ばし、我が物顔で場所を占有する。
そうしてやがて穂を出して、来年の種を蒔き散らす。
そうならないようにと、見つけたら目の敵にして刈っています。
草は敵ではないとはいっても、やっぱり憎らしく思ってしまうのが浅はかさです。
中には、稲とぴったり背中合わせに生えているヤツがあって、
よく見ると葉っぱの色や形が微妙に違うのだけれど、
さっささっさと草刈りをしていると、これがなかなか見つけにくい。
丁寧にあっちこっちから見ていると完璧に見分けがつくのだけれど、
そんなことをやってると、いつまでたっても草取りが終わらない。
最後の畝まで来る頃には、最初の畝はまたしても大草。
直播きからやることを思えば、苗だと相当楽には違いないのだけれど、
やっぱり、膝も腰もガタガタになってしまいます。
で、次郎の方は、今ちょっと深水にして様子を見ています。
やっぱり草は生えてきますが、これだけ水があると陸の草は生えにくい。
畝の上に水がないと草刈りはやりやすいが、
水が好きな陸の草もたくさん生えてきて、草がすぐに茂ってきます。
田植え終了後すぐに深水にするといいのかもしれないが、
今年はちょっと間をおいてしまったので、生えてきた草をざっくり草取りして、
深水ののままにしています。
それでもヒエはちゃんとは取りきれないし、やがて大きく伸びてくるので、
来週あたり様子を見て、一度水を落としてからヒエ刈りをしようかと思っています。
ウチは荒起こしも代かきもやらないので、畝の平衡がちゃんと取れていないんですね。
どこも畦側の両端が高くなる傾向にあって、
そこはどうしても陸の草が茂りやすいし、稲の生育も芳しくない。
毎年少しずつはスコップで調整するのだけれど、
この冬はちょっと大がかりにやった方がいいのかもしれないなと思っているところです。
まぁ思うだけで、冬になってみると寒くておっくうになるのがオチですけどね。