ロボットにできること。
「直ちに健康に問題はない」、とかいう言葉遣いが便利に使われているようです。
そりゃ、直ちに生命を失うことはないのかもしれないけれど、
生命に湿った身体の奥深くまで入って、ずっとずっと後々まで影響を及ぼすわけです。
もちろん原発事故のことです。
それが今現在も進行中で、日一日と被害を広げているのだと思うと、
被爆エリアから遠く離れているとはいえ、何だか毎日気が気ではありません。
特に、被爆も顧みずに現場で働く人々のことを思うと、まったく言葉もありません。
それで、
こういう現場では、人間のかわりに仕事をやってくれるロボットがあればいいのに、
とか話していたら、・・・ありました。
米ロボットメーカーのアイロボット社が、被災地で復興・救助活動を支援するために、
軍用ロボット4台(地上走行ロボット「バックボット」2台と「ウォリアー」2台)を寄付した、
というニュースです。
パックボットは、重さ約20~27キロ。被災地ではセンサーを取り付けて、
放射線濃度が高いとされる場所に投入し、放射性物質や化学物質などの異常を
検知するのだそうです。
大型ロボットのウォリアーは、がれきや建物の残骸などを乗り越えて移動でき、
約90キロの重量まで運搬が可能。消火活動に投入され、消防ホースを運んだり、
がれきを除去したりする作業に使われるのだそうです。
パックボットの軍用のデモンストレーションビデオがありました。
いずれも800メートル離れた場所から、ゲーム機「エックスボックス」「プレイステーション」
のコントローラーで操作できるのだそうです。
何だか、すごい!
そういえば、アイロボット社って、あのお掃除ロボット「ルンバ」を作ったところですよね。
そのアイデアや技術が軍用に利用されていることには、どうかという意見もあります。
それでも、その発想のユニークさには感心してしまいます。
福島の被災地では、アイロボット社の社員が自衛隊員に使い方を指導するそうです。
自衛隊員の中にも、見事にジョイスティックを駆使する人がいればいいですね。
ぜひ、役立ててもらいたいものです。
「原発震災」という言葉を知っていますか。
この度のような福島原発の事故を予測し、既に2005年2月に衆議院予算委員会の公聴会で
発表し、警鐘を鳴らしている地震学者がいました。
その時の、石橋克彦(神戸大学名誉教授)氏の講演録です。
「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難
-技術的防災から国土政策・社会経済システムの根本的変革へ-」
http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/050223koujyutsu.pdf
これが、読んでみてびっくり。
まさに今この国で起こっている大惨事を、もう6年も前に予測されていたのです。
こういうまとまな学者が、国会でまともな発言をしても、
それをまともに受け止めることのできない社会なのだなぁと、
何だか考えてしまいました。
こういうのを読んだ後で、
「直ちに健康に問題はない」とかいう言葉を、またも来る日も来る日も耳にして、
まるで何事も起きなかったかのように、どこかで原状復帰を夢見ているような日本って、
日本人って、本当に大丈夫なのだろうかと、暗澹たる気持ちになります。
かといって私に何ができるのかといえば、
ヌカ漬けにするためのだいこんを、黙って軒先に吊るしているだけなのだけれど。