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2011年3月27日

ロボットにできること。

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「直ちに健康に問題はない」、とかいう言葉遣いが便利に使われているようです。
そりゃ、直ちに生命を失うことはないのかもしれないけれど、
生命に湿った身体の奥深くまで入って、ずっとずっと後々まで影響を及ぼすわけです。

もちろん原発事故のことです。
それが今現在も進行中で、日一日と被害を広げているのだと思うと、
被爆エリアから遠く離れているとはいえ、何だか毎日気が気ではありません。

特に、被爆も顧みずに現場で働く人々のことを思うと、まったく言葉もありません。

それで、
こういう現場では、人間のかわりに仕事をやってくれるロボットがあればいいのに、
とか話していたら、・・・ありました。

米ロボットメーカーのアイロボット社が、被災地で復興・救助活動を支援するために、
軍用ロボット4台(地上走行ロボット「バックボット」2台と「ウォリアー」2台)を寄付した、
というニュースです。

パックボットは、重さ約20~27キロ。被災地ではセンサーを取り付けて、
放射線濃度が高いとされる場所に投入し、放射性物質や化学物質などの異常を
検知するのだそうです。

大型ロボットのウォリアーは、がれきや建物の残骸などを乗り越えて移動でき、
約90キロの重量まで運搬が可能。消火活動に投入され、消防ホースを運んだり、
がれきを除去したりする作業に使われるのだそうです。

パックボットの軍用のデモンストレーションビデオがありました。

いずれも800メートル離れた場所から、ゲーム機「エックスボックス」「プレイステーション」
のコントローラーで操作できるのだそうです。

何だか、すごい!

そういえば、アイロボット社って、あのお掃除ロボット「ルンバ」を作ったところですよね。
そのアイデアや技術が軍用に利用されていることには、どうかという意見もあります。
それでも、その発想のユニークさには感心してしまいます。

福島の被災地では、アイロボット社の社員が自衛隊員に使い方を指導するそうです。
自衛隊員の中にも、見事にジョイスティックを駆使する人がいればいいですね。
ぜひ、役立ててもらいたいものです。

 
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「原発震災」という言葉を知っていますか。

この度のような福島原発の事故を予測し、既に2005年2月に衆議院予算委員会の公聴会で
発表し、警鐘を鳴らしている地震学者がいました。

その時の、石橋克彦(神戸大学名誉教授)氏の講演録です。
「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難
 -技術的防災から国土政策・社会経済システムの根本的変革へ-」

http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/050223koujyutsu.pdf

これが、読んでみてびっくり。
まさに今この国で起こっている大惨事を、もう6年も前に予測されていたのです。

こういうまとまな学者が、国会でまともな発言をしても、
それをまともに受け止めることのできない社会なのだなぁと、
何だか考えてしまいました。

 
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こういうのを読んだ後で、
「直ちに健康に問題はない」とかいう言葉を、またも来る日も来る日も耳にして、
まるで何事も起きなかったかのように、どこかで原状復帰を夢見ているような日本って、
日本人って、本当に大丈夫なのだろうかと、暗澹たる気持ちになります。

 
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かといって私に何ができるのかといえば、
ヌカ漬けにするためのだいこんを、黙って軒先に吊るしているだけなのだけれど。

2011年3月14日

本当のことを教えてよ。

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地震では、阪神大震災というものを生で体験させてもらったから、
ちったぁこっちが先輩だと自負しておりましたが、
いやはや、これはまたそんな冗談すら言えないくらいすごいことになってきました。
阪神大震災とはまた違うタイプのカタストロフですね。

ウチにはテレビも新聞もないのですが、
今回は、テレビ局の放送がリアルタイムでインターネットに流れていたので、
普通の人なみには一般的な情報を知ることができたわけです。

こういう時は、さすがにNHKですね。
現地スタッフやカメラも、民放より充実しているし、
何よりも、客観的な事実だけを繰り返すというスタイルがいい。
くだらないキャスターやコメンテーターの意見なんか聞きたくないからね。

はるか遠くで起こっているカタストロフの状況を、
コチラはぬくぬくとストーブにあたりながら眺めているのです。
でも、そこのところはほら、
阪神大震災の時には、自分もアチラ側にいてひどい目にあったということで、
これでおアイコにさせてもらってもいいでしょう。
何のおアイコかわかりませんが。

 
 
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しかし、しばらく見ているうちに何だか隔靴掻痒な気分になってきました。

原発のことです。

「念のために避難してください」って、それは何か変でしょ。
逃げなくていいなら、逃げなくていいし、
逃げるなら、もう徹底的に逃げないとダメでしょ。相手は放射能なんだから。

NHKも悪くはないけれど、
政府発表のコメントを逐一流すのは、それはそれでいいのだけれど、
もっと本当のことが知りたい!

原子力発電所ったって、ほとんどの人は何も知らないのです。
危険ったって、そもそもどのような仕組みで、どのような危険性があるのか。
今、原発くんはどのような状態になっていて、どんな危険性が想定できるのか。

NHKを見てるだけじゃ、そのあたりのことがちっともわからないのです。

これじゃ、「右を向きなさい」。はい、右。
「そこで立ち止まって、左を向きなさい」。はい、ここで立ち止まって、左。
そんな状況ですよね。

何で右を向かなくちゃいけないの?立ち止まってどうするの?今度は左?

そりゃ、高所大所からの判断をしているのだとは思うけれど。
自分の頭で判断ができないような状況に置かれているのだから、
このまま高所大所のいいなりになっていて、これで本当に大丈夫なのか。

だんだん不安になってくる。そういうことだと思うのです。

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で、いろいろネットをブラウジングしていたら、見つけました。
原子力資料情報室(CNIC)

NPOですが、あの福島原発の原子炉格納容器を設計した専門家などが、
今いったい何が起きているか、そもそも原子炉の仕組みはどうなっているか、
今後いったい何が起ころうとしているのか、そういうことをわかりやすく説明しています。

こういう情報が知りたかったのです。


記者会見の中継映像なのでかなり長いですが、ぐっと聞き入ってしまいます。

2011/3/13 (第2回)福島原発に関する原子力資料情報室 記者会見

2011/3/12 (第1回)福島原発に関する原子力資料情報室記者会見

さきほども、昨日に引き続き、福島第一原発3号炉の爆発がありました。
しかし、爆発時の映像は何故か見ることができません。
昨日の1号炉の爆発時映像も、どこかで露出がセーブされていたようなのです。

映像を見た専門家のコメントでは、
爆発時に放射能の雲(キノコ雲)が立ち上がったということですが、
今は本当のところは確認のしようがありません。

ビデオの中で言われていたことですが、
政府の記者発表では専門家が入っているとは思えないような発言がある。
本当のことを隠しているということじゃなくて、
あるいは、彼らも本当のことがわかっていないのかもしれない、ということでした。

我々と同じレベルか。何ともはや、です。


今日も、「原子力資料情報室」の記者会見がLIVEで流されます。
NHKを横目でみながら、ぜひこちらもチェックしてみるのがいいと思います。


2011/3/14 19:30 - 20:30 (第4回) 福島原発に関するCNIC記者会見


そんなことはよそに、
ウチのウラ庭の梅の花が、チラホラ咲いてきました。


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2011年3月 5日

身近な問題

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リビアのカダフィ大佐がどうだとか、前原大臣の進退がどうだとか、
そういうことも世間ではニュースでありますが、
何だか、みんなインチキですよね。

でも、どこかの誰かの思惑で、
ガソリンの値段が上がったり下がったりするのは困ったものです。
そりゃ、本当はガソリンを燃やしたり、石油を燃やしたりなんかしたくない。
でも、石油は薪ストーブに代えられるけど、
車は薪じゃ走らない。車に頼らないと田舎じゃ身動きが取れないのです。

そして、田舎には田舎ならではの問題があります。
世界経済や国家の政治が大掛かりなインチキなら、
田舎の行政は、舞台裏まで見えてしまう茶番劇のようなものです。

でも、それを笑っていられないんですよね。
身近な問題だから。


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以下は、「大田をよくしたいNews 第001号」の本文と図です。
ダウンロードはこちらです。


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大田をよくしたいNews 第001号

大切なのはいったいどっち!
市民の安全?計画の推進?

仁摩町宅野に計画されているゴミ処分場のことです。
こういう危険な施設を作る前には、建設で自然が壊されないか、市民の
安全が保たれるか、そういうことを調べる「環境影響調査」を行い、その
結果を市民に公表するように法律で決められています。

 大田市は確かにそれを行いました。でも何かがおかしいのです。

 計画地は、昔から土砂崩れがよく起きるところでした。地下水が湧き出
るような非常にもろい地盤です。
 もう一度きちんと見ようと、文書の情報公開を申請したところ、地質や
地盤に関する報告書がないのです。おかしいなと思って再度申請すると、
今度は分厚い地質調査報告書が出てきました。


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 これを専門家の先生に見ていただいたところ、実に驚くべきことがわか
ってきました。

 1.大田市は直前に施設配置の計画変更をしました。しかし、地質調査
   はそれ以前に作成されたものでした。したがって、この調査は有効で
   はありません。
 2.配置変更後のエリアに唯一掘られていたボーリング結果から、計画
   地は軟弱地盤であり、巨大な施設を支えるような硬い地盤でないこ
   とがわかりました。


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 大田市はこうした事実や調査結果を知っているはずです。知っていなが
ら住民には本当のことを知らせませんでした。「安心・安全。何も問題はあ
りません」そんな説明を繰り返していたのです。

 市民の安全よりも、計画の推進を優先する進め方には憤りを感じます。

 

これは処分場の
事故じゃないの?

大田市の危機管理体制はいったいどうなってるの?
市立病院の問題、断水事件など、市民からも疑問の声が上がっています。

 では、既存の3つの処分場(大田・仁摩・温泉津)は安全に維持管理され
ているのでしょうか?
 処分場では汚染防止のために、排水や地下水の水質検査が義務づけら
れています。そして、この計量データを取り寄せて専門家に見てもらいまし
た。その結果にまたびっくり。

 温泉津・大田では過去に環境基準値を越えるダイオキシン。また、仁摩・
温泉津では、毎年のようにヒ素や鉛が地下水から検出されています。
 「既存の処分場はいずれも安全に維持管理されており、過去に事故はあ
りませんでした」と大田市は説明しました。 しかし実際に有害物質が出た
ことは、検査結果の数字に現れているのです。

 本当に怖いのは、市民の知らない間にこうした環境汚染が進行している
ことです。これら3つの施設とも、海の直近に配置された処分場です。つま
り有害物質が海に流れ出ている可能性があるのです。そうなると、海洋汚
染による近辺の魚介類へ海苔・ワカメ等への影響がとても心配になってき
ます。
 私たちの日常の食卓に関わる、本当に大きな問題です。


知らないうちに
びっくり環境汚染

「環境影響調査」で、市民に公表されなかった資料がもうひとつ。
計画地の河川や地下水、土壌を調査した詳細な内容が記された「その他
参考資料」というものです。
 ここに書かれている検査結果を見てまたまたびっくり。 何と、この計画地
は既に高濃度の汚染地帯となっていました。
 下図にあるように、ひどいところではダイオキシン類が水質環境基準の約
7倍の値を示しています。全国でも例を見ないとんでもない数値です。


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 地下水のph値も強い酸性を示しています。土壌からはヒ素や鉛、そし
て周辺井戸からは、鉄及びその化合物、アルミニウム及びその化合物、
等の重金属が環境基準値を超える高い数値を示しています。

 これが「不法投棄」の可能性があるものなら、大田市と島根県はすぐに
確認調査を行ない、不法投棄なら廃棄物の撤去と除染を行わなければ
なりません。

こんな事実を隠してまで計画を推進するなんて、一体どういうこと?

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まったく、笑っちゃいられないですよね。
リビアや霞が関じゃなくて、事件は大田で起こっているのです。

大田市民でなくても大丈夫です。
こりゃ、たいへんだ、と思われた方は、ぜひその声を送ってください。
「応援メッセージ」の投稿はこちらです。

2011年3月 3日

味噌の仕込み

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3月1日に味噌8kgを仕込みました。
大豆が4kg、米麹が4kg、塩が1620gです。
大豆も4kgとなるとたいへんな容量です。
またこれを水に漬けておくと結構ふくらむので、入れる鍋がないんですね。

煮る時だってそうです。
昔はかまどにのせるような大きな釜もあったんでしょうが、
今日びの家庭には、小さなガスコンロに見合うような鍋しかありません。
それでもアルミの大鍋や、蒸し器の鍋やらを総動員して、
ストーブでコトコトと煮ました。


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それをミキサーで潰して麹に混ぜ混みます。
少しずつやらないと、どろどろでミキサーが空回りしてしまいます。
何せ4kg、4kg、合わせて8kgなんで、麹と混ぜあわせる器もない。

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仕方がないので、混ぜたはしから味噌玉にしてハンドにぶち込みました。
これがちょうどよい大きさで、8kgぴったりでした。


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そうしてこれ、麦麹です。
きれいに花が咲きました。なかなかのもんでしょ。

まずはじめに玄麦を精米機にかけました。
ところが、白米づきにするとモーターが動かないんです。
仕方がないので、7分づきぐらいに目盛りを緩めると、ようやく動き始めた。

しかし、出てきた麦を見るとどうも茶色い皮が取れていないのです。
ですが、これしかできないんだから仕方がありません。
何とかなるでしょう。

それでも、結構ヌカがでてきたのです。
そこで考えました。
米の場合、ヌカですが、麦の場合も、やっぱりヌカでしょうか。

これが正直なところ、どうも小麦粉みたいなのです。

小麦を挽いたら小麦粉になるわけで、
それはやっぱり、ヌカではないのでしょうか。
でもそれなら、米を挽いたってヌカじゃなくて、米粉になるはずですよね。
それとも、米の場合は特別に皮殻部が分厚いというのでしょうか。

何だかわからなくなってしまったのですが、
これはきっとヌカに準じるものには違いないと思い、
それならばヌカ漬けもできるはずだと。

結構、麦ヌカが出てきたので、
米ぬかみたいに、塩を混ぜて、白菜を漬けようと思いました。

(しかし、どうも手触りが小麦粉に近いんですよね。)

でも、やり始めたことを途中でやめるわけにもいかない。
そうして、麦ヌカに白菜を漬けました。

そういえば、その後様子を見ていないなぁ。
どうなってることやら。


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いや、麦味噌の話でした。

その7分づきの2kgの麦を水に4~6時間浸し、2時間ほど水切り。
そうして、それを蒸します。蒸すこと約4~60分。

もろぶたに布を引いておいて、そこに蒸しあがった麦を広げます。
そうして、種麹を5~10グラムほど、パラパラとまぶします。
いきなりまぶすとうまく広がらないので、
少量の麦にまんべんなくまぶし、それを全体にうまく混ぜ込みます。

できあがったら、湿らせた布で覆って、もろぶたで蓋をします。
そうして、温めていたコタツに直行!
だいたい32~35度で18~24時間寝かせます。
ウチのコタツだと「強」だと熱すぎるようで、5~60度にもなってしまいます。

時間になったら開けてみて、しゃもじで全体を薄くのばします。
温度が高いようであれば調節します。
ウチのコタツだと「中」よりも少し「弱」よりで大丈夫みたいでした。
それから4~5時間寝かせて、もう一度二番手入れ。

その後、10~15時間、種麹をまぶしてからは40~45時間で出来上がりです。
玄麦に近い状態だったので、うまく花が咲くかなぁ、と心配したのですが、
いやいや、結構うまくできました。

時間はかかったけれど、そんなにたいへんでもなかったかな。
米麹も、買えば1kg500円はかかりますが、作れば2kgが300円ほどでできる。
手間をいとわなければ、安くつくということですね。

これでできた麦麹は、米麹の時と同じように塩切りして、後は同じ工程です。
大豆2kg、麦麹2kg、塩810gの麦味噌を、今日仕込みました。
さてさて、どんなふうに出来上がるか、今年の暮れが楽しみです。

麦麹が1kgほど余ったので、
これでどぶろくでもしたらどうだろうかと思っています。
麦焼酎じゃなくて、麦酒。
ん?ビール。

さてさて、どうなることやら。