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2010年10月30日

ウラ庭果樹園化計画

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その計画は密かに進行していたのでした。
畑もいいけれど、やっぱり果樹が近くにあるとうれしいよね。
ということで、果樹の苗木を少しずつ買ってきては植えております。

ウラ庭といっても、もともと蔵や納屋が建っていた宅地だし、
掘っても砂地だし、畑に向いているわけでもなく、
かといって、果樹にも向いてはいないだろうと思うのですが。

そこはそれ、日々の生活から出る野菜くずや米ぬか等で、
少しずつよくなっていけばいいということで。

下草の代わりに、イチゴやベリー類や、少しのハーブがあればいい。
それに、時々豆類やきゅうりやトマトが、
その果樹の幹を伝って実をつけてくれれば最高です。

イチゴはもう毎年ランナーで増えてるし、
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム、バジル、ミントも植えつけてあるしね。

来夏のキッチンの窓際には、
ゴーヤとヘチマで自然の日除けカーテンをやってみたいなと。
それで、冬の間に土を入れて春まで寝かせておこうと考えています。
コスモスの花が終わったらね。


 
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これは、ミカンの「はるか」。
島根はかつて温州みかんの北限地と言われていたけれど、
このあたりの海でも秋田のハタハタが捕れるようになったぐらいだし、
おいしいミカンが育ってくれればと思っています。

 
 
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これは「梅」。
この梅の木だけで、自分ちの梅干しや梅酒がまかなえるようになるのは、
いったいいつの話だろう。
自分が生きている間は無理だったりして。
まぁ、それでもいいんだけど。


 
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「白モクレン」。
これは食べられないけどね。
春になったら、木の枝からいきなり大きな花をつけるでしょ。
その潔さが、好きなんです。


 
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これは「ソルダム」。
田圃にプラムがあるかと思って、苗木を植えてみたのだけれど、
実がなってみると、それは梅でした。
だから、ウラ庭に移植することにしたのです。
プラムは花粉樹というのが必要で、一本じゃ実が成らないんですね。

だから、今こいつの相棒を注文しているところです。


 
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想い出の「レモンツリー」。
レモンの木も平均温度があまり低いと育たないといわれますが、
まぁ、「はるか」とともに頑張ってほしいと思っています。

 
 
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で、これが「プルーン」。
生のプルーンはおいしいからね。
プルーンが、木に鈴なりになって食べきれなくなったらどうしよう。
楽しみだなぁ。


さて、これでオシマイかと思ったら、まだあるんですね。

この間、プラムと一緒に白桃といちじくの苗木を注文しました。
もうすぐ到着する予定です。

それから、
枇杷と柿は、いつかペッと飛ばした種が、庭の片すみで順調に育っています。

いやぁ、数年後が楽しみですね。
これらの木が、やがてたくさん実をつけるまで、
それまでだって、生きている甲斐があるというものじゃありませんか。

しかし、こんなたくさんの果樹を狭い庭に植えたりして、
何にも考えてないんじゃないの、と心配の向きもあるかと思いますが。

はい。
先のことなどなぁーんにも考えておりません。
それでいいのだ。

夢のような「ウラ庭果樹園化計画」。
その夢に着手したというだけで素晴らしいんじゃありませんか。

2010年10月27日

禁断のストーブ

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なんとまだ10月だというのに、ストーブに火が付いた。
寒波がきたっていうぐらいだから、なるほどシャツ一枚じゃ寒くて。
ついにストーブに火を付けてみた。

それがあったかいと感じるぐらいに、実際に寒くなってるようです。
なんで禁断かというと、
そりゃー、いったんストーブをつけると、何だかないと心まで火が消えたようで。

かといって、ストーブを焚けば、割木の心配をしなくちゃいけない。
急ごしらえの生木に手を出すと、煙突掃除がたいへんだし、
できることならそんな心配はしたくないなぁと思うのですが、
寒いからには仕方がない。
いったんこのあたたかさに触れると、手放せなくなるのです。


 
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でも、ストーブの火はやっぱりいいですね。
見てるだけで心がなごむ。
せっかくなので、豆でも炒ろうか、イモでも焼こうか、と考えてしまいます。
これはこれで、素敵な季節の到来ではあります。


 
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しかし、何かおかしいですよね。
まだ10月だし。
もう、落花生がいいんじゃないかと思って掘ってみたのですが、
全然、まだみたいです。

下葉が色づくどころか、まだ黄色い花が咲いていたりします。
わずかに膨らんだ殻の中は、まだ胚嚢のように真っ白で実になっていない。
なのに、片やもう寒波がやってくる。
何か間違ってますよね。


 
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こちらは大豆。
もう、枝豆で食べるのは遅いだろうと思って試しに茹でてみたのですが、
これがちょうどいい感じで、うまい。

今年の大豆は大粒で、枝にわんさか実がついています。
今頃、おいしい枝豆が食べられるというのもちょっと変な話ですが、
まぁ、おいしいからこれは許そう。


それよりも何よりも心配の種はなだらに干した稲束。
どうも台風が来てるようだし、
ぎりぎりの金曜日あたりに、第一弾の脱穀をしようかと考えています。

そうそう、今日は早生のたまねぎ苗50本、中生のたまねぎ苗100本を植えました。
それから、サヤエンドウも。
ついでに、遅ればせながら大根と白菜と菜っ葉の種を蒔く。

夏の間、お米に手を取られて、構われないまま草だらけになっていた畑が、
ちょうどいい感じの土になっていました。

2010年10月26日

雨に打たれたなだら

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今日は明け方からすごい風が吹いていました。
その風音になだらのことが気になって、夜中に何度も目を覚ました。
稲架にかけた稲穂が落ちていやしまいか、なだらが倒れていやしまいか、とね。

でも、行ってみると大きな被害はありませんでした。
ひと安心。
このあたりまでくると、海辺ほどには風がきつくないようです。
しかし、よく見ると竹竿が前よりもしなって、ちょっとずりさがっていました。

雨で濡れて重量が増したのでしょう。
手前に括りつけていた竹の細い先っぽはもう完全に潰れて、
真ん中の支柱に括りつけていたヒモが重みでゆるんだようですね。

まだ稲穂の先が地面につくところまでは下がっていませんが、
明日も雨が降るようだし、
応急処置をしておくに越したことはありません。


 
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なんせ初めて藁で稲束を括ったり、自分でなだらを組んだりしたところだからね。
結束はゆるゆるだし、稲木の立て方も組み方も、縛り方もいい加減。
だから、こんなことになるんですね。
勉強、勉強。

しかし、今日も歩くごとに落穂を見つけては拾い、見つけては拾い。
この前、全部の稲刈り後を、絨毯作戦で雑巾がけのようにくまなく歩いたのに、
それでもやっぱり見落としてるんですね。

いったい、どれだけ落ちているんだろうと思います。


 
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夏にはほとんど実をつけてくれなかったのに、
今頃になって赤いプチトマトがなってきた。


 
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乾いたゴマの実がはじけて、ゴマ粒が落ちてきた。

もう寒波だと。
短い秋でしたよね。

そしてこうして、また春まで長い眠りにつくのでしょうか。

2010年10月25日

ただリッチ。

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沖いわしをたくさんいただいた。
昨日はピーマンをたくさんいただいたので、今晩はごはんとピーマンの醤油炒めと
自家製味噌のおみおつけでシンプルにすませようと思っていたのでした。

沖いわしというのは、正式にはたぶん「ニギス」。
キスに似てるからニギスだそうだが、実際はまったく似ていない。
このあたりじゃ、トンコロいわしともいう。
いわしとも似てないんだけど。

こいつは何といってもすぐに鮮度が落ちるので、
何にしろ早く食べるに限る。

で、さっそく塩焼きにしたり、それを甘酢漬けにしたり、
唐揚げにしたり、定番の甘辛煮にしたり、何だか大忙しの夕食準備になったのでした。
そうして、超リッチなディナー。

食材がみんな新鮮だから、本当においしい。
毎日、ほとんどの食材は誰かからのいただきものだったりします。
そうすると、食費は限りなくただです。
でもとてもリッチだから、「ただリッチ」。

田舎は住みづらいという人がいます。

そりゃ、他所者や新参者を毛嫌いして排斥したがる人は確かにおります。
でも、それは自分たち自身が古くからの因習や近所づきあいにがんじがらめになっていて、
身動きが取れないから、そうしたうっぷんの裏返しのようなものなんです。

平和なはずの田舎の自殺率が予想外に高いのも、きっとそのせいなんですね。
ある意味では可哀想な人たちです。


でも、もちろんそうじゃない人たちもたくさんいます。
つまらない利害感情なんかいっさい持たず、
本当に気持ちよく気軽に、手助けをしてもらったり、また助けたり、
そうした人づきあいができるのは、やっぱり田舎ならではの素晴らしさだと思います。

そんな人づきあいの中から、トンコロいわしがやってきたり、
ピーマンやししとうがやってきたり、カボチャがやってきたりするんですね。
それはたぶん、モノじゃなくて気持ちなんです。

そうしたつきあいの中で、
自分が人よりちょっと得意なことを見つけて、何かで恩返しができるなら、
それでいいんじゃないかと思うんですよ。
それでもう、自分には生きていく意味があるんじゃないかと。

都会じゃ、
キャベツだって、サンマだって、お金を出さないと手に入らないわけで、
そのお金を稼ぐために、毎日好きでもない仕事に出かけている。
そうやって、生きるためにはお金を稼がなくちゃいけないと思ってるから、
ただ死ぬまでお金を稼ぐことだけが、ほとんど人生の目的になってしまっている。

それも、ある意味では可哀想な人たちです。

人が生まれて、生きていけるだけのものは、
もうこの世にすべて用意されているんだと感じることができれば、
もっと違う生き方が見えてくるんじゃないかと思うだけどね。

やっぱり、「ただリッチ」がいいと思うよ。

2010年10月22日

麦を蒔いた。

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田圃に麦を蒔くのは稲刈り前か稲刈り後。
稲刈り前だと、鳥に食べられる心配はない。
芽が出ても、麦だから稲刈りの時に踏まれても大丈夫。

週末には雨が降りそうだし。
そう思って、今日三郎の奥に麦の種を蒔きました。

ここは水の入り具合がよくないので、
たぶん来年は米を作らないか、作っても陸稲かなと思っています。
赤米のベニロマンがまだ穂をつけているところに、裸麦(モチ性大麦)。
黒米のオクノムラサキのところに、ライ麦。
そして、ミコトモチを刈ったところにひと畝だけ、小麦。

次の年はこれを種にしてもう少し増やそうと思っています。
イノシシが荒らさなければいいのだけれど。

 

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イノシシといえば、リバーサイドのさつまいも。
「荒らされてるよ」と、人伝えには聞いていたのですが、
田圃のことにせいいっぱいで、しばらくどこの畑にも行けなかったのです。

いやぁ、ちゃんとイモのあるところだけ見事に掘って食べてますね。
ほとんど残されちゃいない。


 
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こちらは、たぶんカラス。
テグスを張ってはいるだけれど、張り方がちょっと雑だったかもしれません。
羽が当たらないところだけを集中的につついたようです。
でもまぁ、他のところは大丈夫なようでちょっと安心。

しかしこの畑は、もうこれからはイノシシ対策をしないとダメですね。
去年までは全然大丈夫だったのに。
このイノシシ、実はゴミ処理場建設予定地が測量やなんかで人が入ったために、
やむなくこちらに追いやられてきたのだと聞きました。

こんなところに、早くもゴミ処理場建設の被害が及んでいます。

2010年10月21日

アヤキヌ(次郎)とオカボモチ(太郎)のなだら

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こちらが次郎のアヤキヌ。
アヤキヌは次郎と三郎に半分ずつあるのです。
種籾を蒔いた日は次郎の方がだいぶ後なのに、実りの時期は大差ありません。
何とも不思議なものです。


 
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こちらは太郎のノーリン1号、陸稲モチです。
こちらは種籾を蒔くのが一番最後になったため、
分けつもそこそこに穂を出し始めたのでした。
何故か、熟れるのも一番早かったようです。

茎まで黄色くなって、ここまで刈らずに置いておいた方がいいような気もしますが、
穂から籾がはずれそうになっているのもあり、よしあしですね。

分けつが進まなかったせいで、株が細いです。
そのせいもあるのでしょうか。次郎、三郎よりもずい分と草が多いです。
あるいは水をあまり入れなかったせいかもしれません。

 
昨日は馬路から三人お手伝いに来ていただいこともあって、
なだらの作業は昨日のうちに終わってしまいました。


 
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太郎から次郎、三郎を望む。
一段なだらがだらだらと長く伸びているのもいいものですね。

二段、三段の方が効率がいいように思われますが、
一段の場合には、刈ってすぐ近くに掛けられるので、
重い稲束を運ぶ手間がほとんど要りません。
だから、のんびりとやるにはこれが一番いいような気がします。


 
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次郎、三郎のなだらです。


 
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今度は反対側から。


 
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これは三郎です。
奥の方の、一番最初に刈ったミコトモチがもうだいぶ乾いてきて、
そろそろ脱穀のことが気になってきました。

順番になだらをかけているため、稲コギも一度には済みません。

最初は足踏み脱穀機を持ち出して、ぼちぼちやろうかと思っていたのですが、
麦の例でも、穂に残ったままの籾がだいぶ出てくるし、
それをまた叩いたりちぎったり、唐箕にかけたりする手間を思うと、
そうして、やってる間に雨が降ってきたりなんかすることを思うと、
ちょっとクラクラとしたのでした。

そこで、やっぱり大部分はハーべスタのお世話になろうかと、
そんなことを考えています。

三郎に残っている赤米と黒米。
これぐらいは足踏み脱穀機でやってみるのもいいかもしれません。
ミコトモチをハーベスタにかけると、
それで稲架が空くので、そこを利用して赤米と黒米が掛けられるしね。

せっかくなので、
三郎のミコトモチとアヤキヌを同じ日にハーベスタにかけようと思うので、
もうしばらくアヤキヌが乾くのを待ってから、いよいよ第一次の脱穀です。


 
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今日はゆったりと落穂拾いをしておりました。
よくプールの中で歩いている人がいますが、
何だかそんなテンポで、歩いては拾っておりました。

一度通ったところでも、また歩くとまた見つかるから不思議です。

これだけでご飯が何杯食べられるか。
もったいない、もったいない。
でも、機械でやってる人は、こんな落穂拾いなんかしないんだろうなぁ。


 
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おお、これこれ。
イノシシになぎ倒されて、ドロで水浸しになって、ついに芽が出てしまった穂。
発芽米にしちゃ、ちょっと芽が出すぎでしょう。

そうそう、そういえば今年は猛暑の影響で全国的に新米の品質が良くないんだとか。

しかし、だいたい米に一等とか二等とか、等級をつけるのが間違ってるよね。
味は変わらないが見た目が違う、って馬鹿じゃないのか。

そんなくだらない等級制度を政府が先導して、
それで米価を下げて、それをまた補填するようなことをする。
まったくもって、何をやってることやら。


そういえば他の田圃では、
稲刈りのあとに「消毒」と称する除草剤をせっせと撒いておりました。
ヒエが生えないようにするためだそうです。

ウチは、三郎の脱穀が終わったら、
その後に、裸麦とライ麦を蒔こうかと思っています。

2010年10月17日

カジキヌ(次郎)のなだら

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カジキヌ(楫谷さんに種籾もらったキヌムスメ)の稲架かけが終わりました。

おとといに3分の1を刈って稲架を立てて、
昨日あとの3分の2を刈って、全部結束ができないままに日が暮れて、
今日やっと結束を終えて残りの稲架を立てて残りの稲束を掛け終わった。
都合、三日かかったわけだ。

 

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なんか、遠くまで連なるなだらがきれいだよね。
こちら側がキヌムスメ、向こうの方がこしひかり。
つながってはいません。後で分かるように品種ごとに稲架を分けています。

 
 
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ただ丸太を組み合わせてそこに稲束を載せているだけなのに、
なだらって美しいよね。


 
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下を見ればイノシシの足跡がいっぱい。
イノシシの糞が乾いた跡もいっぱい。
その上に落穂もいっぱい。
落穂を拾ってあつめるだけで、ご飯が何杯も食べれそうです。

ところがスズメのヤツったら、
落ちているのじゃなくて、まだ狩る前の稲から食べるので憎らしい。


 
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そうこうするうちに5時のチャイムが鳴り、
なだらの上の空に月も出てきました。
いやぁ、今日も少ししか進まなかったけど充実してたなぁ。

 

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明日はこちら側の残りのアヤキヌを刈ります。
これを稲架にかけ終わると次郎は完了。
あとは太郎の陸稲を刈るだけ。
この調子で行くと、あと、5日か6日で稲刈りが終わりそうです。

何だか早く終えてしまいたい気持ちと、
いつまでも終わってほしくない気持ちが錯綜しています。
このままずっと稲刈りだったらいいのになぁ、
と思う私はヘンでしょうか(笑)。

へへ、明日も頑張ろっと。

2010年10月15日

コシヒカリ(次郎)のなだら

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いい感じで穂が黄金色に色づいています。
これを見ていると、何だか刈るのがもったいないような気がしますが、
まぁ、そうも言ってはいられません。

昨日は、近所でお米を作っておられる方が、わざわざ仕事を休んで助っ人に来てくれました。
おかげで、コシヒカリを全部刈ることができました。
ありがとう、うれしいです。

でも、最近は日が落ちるのが早く、
刈って括った稲を稲架に掛けるところまでできませんでした。
昨晩、雨が降ったので、
そのまま田圃に放置して帰った稲束が気になっていたのですが、
さほど濡れてはいなかったので安心しました。
今日は午前中にその稲束を全部稲架に掛けました。

 

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そして、
午後からは隣のカジキヌ(楫谷さんに種籾をもらったキヌムスメ)を刈り始めました。

とりあえず稲木を立てるスペースだけを先に刈って、
稲木を立ててから、刈って結束した稲束をその稲架にかけました。
カジキヌの3分の1ぐらいです。
あとは明日の仕事。

 
 
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しかし、いろんな人に手伝いにきてもらうと、
稲の刈り方や、結束の仕方、稲架のかけ方など、
いろいろやり方があっておもしろいですね。

それぞれの地方やそれぞれの家庭のやり方が伝承されていて、
それがまた初めて手伝う人に伝わっていったりする。
初めての人はそんなもんだと思っても、
別のところに行くと全然やり方が違うのに驚く。
それぞれのやり方に、それぞれ納得するような理由やコツがある。
こういうのが文化ですよね。


 
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さて、明日も稲刈りざんまい。

ごめんなさい。
そういうことなので、今週末のカフェは臨時休業にさせていただきます。
「仕方がないから手伝ってやるか」と思われる方は、
どうぞ、鎌と薄手の手袋を持参で、長靴をはいて田圃にいらしてください。

明日もあさっても、私は田圃です。

2010年10月12日

アヤキヌ(三郎)のなだら

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朝晩の冷え込みが厳しくなったせいで、
朝9時頃に田圃に出ても、まだ葉っぱの上に朝露が光っているんですね。
こうやってじっくり登熟していく稲は、本当に神々しいほどきれいです。

本当はもっと早起きして稲刈りを始めればいいようなものなんですが、
「まだ朝露で濡れてるしね」、と思ってゆっくり田圃に出ることにしています。

 
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これがアヤキヌ(アヤちゃんに種籾をもらったキヌムスメ)のなだらです。
この三脚みたいな「稲架かけ機」。
知人にいただいたものですが、これがなかなかのスグレモノです。

見たとおり、三脚みたいに足を開いて立てるだけ。
あとは竹を横に渡すだけで、もう稲架の出来上がり。
何とも便利なしろものです。
しかも、真ん中の吊り下げ棒は、4段まで横木が渡せるようになっています。


 
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稲束の重みで竹がしなって、先の方が曲がってしまいました。
もう一本支柱を入れておけばよかったけどね。
まぁ、竹は折れないからいいでしょう。後は乾いて軽くなるだけだし。
竹がしなるほど実りがあるということで。


 
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もうひとつのスグレモノ。
借り物なんですけどね、これがまたすごいんですよ。
何だか「ホッピング」みたいですけど、実にいい仕事をします。

稲木を立てる時に、先にこれで穴を開けておくんです。
そう、ホッピングみたいに飛び乗ると、土の中にブスッと入るので、
それをグリグリと埋め込んで、グルッと回して引き抜くだけで穴あけOK。
ぶとい丸太なんて、これがない日にはとても立てられやしません。

そうして、これがすごいのは引き抜いたその後。
V字型の真ん中のところにある棒をぐいっと下に押すと、
穴を開け機にたまった土が、トコロテンみたいにゴロンと押し出されるんです。
いやー、これを最初に見たときには思わず声をあげて感動しました。
シンプルなんだけど、実によく考えられています。

「三脚式稲架かけ機」とか、「ホッピング式穴あけ機」とか、
こういうのを考え出した人にノーベル賞をあげればいいのに、と思います。
その素晴らしさが誰にでもすぐにわかり、しかも感動できる。


しばらく天気がいいようなので、しばらくは稲刈りざんまいです。
いやぁ、稲刈りや稲架かけは本当に楽しいですよ。

種蒔きや草取りの時は、もういつになったら終わるんだろうと思ったけれど、
稲刈りはちょっと気持ちが違いますね。
刈っても刈っても、まだまだはるか向こうまで稲があるんだけれど、
それがまったく苦にならないんです。

他人に手助けをしてもらうと、それはすごく仕事がはかどるし、楽なんだけれど。

ここだけの話、本当のことをいうと、全部自分でやりたい(笑)。
だって、楽しいんだもん。

2010年10月 9日

雨の日の仕事

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まったく雨の日はしょうがない。
でも、昼過ぎには少し止んだようなので、ウラ庭に唐箕を持ち出した。
ずっと気になっていたライ麦の箕選をしようと思ったのでした。

だいぶ前に脱穀は済み、残った殻も全部手で取ってあるので、
あとは唐箕にかければできあがり。

唐箕は実に賢い機械です。
ライ麦だけを残して、本当に見事にゴミや殻を飛ばしてくれます。
でも、受け口の洗面器が小さかったのか、周囲に派手にこぼれてしまった。

こういうふうに自分で仕事を増やすんですよね。
こぼれた種をひと粒ひと粒拾っては、またふーふーと土を落とさなくちゃいけない。
シートぐらい敷いとけよな。ったく。

 
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でもまぁ、よくできました。
少しは食べて、あとは来年の種に。
三郎の稲刈りのあとに、裸麦とライ麦を蒔こうと思っています。


 
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おぉ、そういえば今年は朝顔の種を取るのを忘れていました。
そう思って、あちこちにわずかに残っていた種を回収。


 
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最後にごぼうです。
これもとりあえず枯れた実を取っておいたもの。
おもしろい実ですけどね。このトゲトゲがクセモノなんですよ。

トゲトゲの内側にたくさん種がつまっているので、
これをぐじぐじと手でほぐせばいいのですが、
ほぐす時に、小さなトゲトゲの綿毛もいっぱい抜けるんですね。

これを種とより分けるために、不用意にふーっとやった日には、アンタ。
もうそのトゲトゲの綿毛が服や身体中にくっついて、
それがいつまでもくしゃくくしゃとして、もうどうしようもありません。

何たって、このトゲトゲはちょっとはたいたぐらいじゃ、落ちてくれないんです。
洗濯したってだめです。
掃除機でしつこく吸って、徹底的にブラシをかけないと取れません。

この前ひどい目にあったので、そのまましばらく放っておいたのですが、
いよいよ仕方なく続きをやることにしました。

ふーってやっちゃだめだよ、だめだよ、って思いながら、
この綿毛を見てると、あれ、思わずふーっと、やっちゃうんですね。
そんなことで、また自分で仕事を増やす。

まったく、雨の日はしょうがない。

2010年10月 8日

ごま、ヘチマ、えだまめ。

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まったく、雨の日はしょうがない。
今日は一日中雨だったので、
これまでやろうと思ってやれなかったことを少し片付けることにしました。

これは藤井さんにもらったヘチマ。
へちまたわしを作ろうと、バケツの中に沈めた。
一週間ぐらいでくさって溶けてくるようなので、
水を変えながら繊維質だけを残すとたわしができるようです。

種はとっておいて、来年キッチンの窓際に植えよう。

キッチンの窓際は、夏になると結構熱い風が入ってきたりするので、
これまでヨシズを立てかけて日除けにしていたのだけれど、
来年はゴーヤとヘチマで緑のカーテンを作れればいいなぁと、
ひそかにたくらんでおります。


 
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これは枝豆。
今年はなんだか大豆の実がしっかり入ってよくできています。
雨が大降りになる前に三本ほど切ってきたのですが、
ザルにいっぱいになるほど取れました。

黄金の4%塩水で茹でた採れたて枝豆のおいしいことといったら。
でも、全部は食べないで、少しは来年の種に残しておかなくちゃね。


 
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これはゴマ。
去年はちっともできなくて、近くに生えていたよく似た雑草を、
ゴマとまちがえて後生大事に干していたりしたのでした。

でも、今年は正真正銘のゴマです。
本当は9月に収穫するらしいのですが、
いつまでたっても花が咲くし、莢もずっと緑のままなんですね。

で、調べてみると、それでいいんだそうです。
一番下の莢が少しはじけてくれば、あとは緑のままでいいんだそうです。
それで刈って、まだついている葉っぱや穂先の花を取って、
このように立てて乾かします。

ゴマはなんせ小さいので、ゴミを取るのがたいへんみたいです。
ちょっと吹いてみたり、水に浮かべて選ったのをまた乾かしたり。
手間がかかりますね。

しかし、あの小さなゴマのひと粒がこんなものになるとはね。
まったく、感激です。
ひと粒の種籾が、あんな立派な稲になるのも驚きですがね。


この雨があがって、連休も終わった来週の火曜日からは、
いよいよ本格的に稲刈りをやろうと思っています。
お時間のある方は、どうぞ鎌を持ってお手伝いにきてください。

手刈りは楽しいですよ。

2010年10月 7日

ミコトモチのなだら

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あぁ、美しいなぁ。日本の原風景だよ。
なんかこれを見ると、無事大役を終えましたねって感じです。
おとといに稲架かけの場所を確保するために刈り始めて、
昨日稲木を立て、今日ようやくミコトモチを全部刈って干すことができた。

えっと、計算によるとミコトモチは二畝ほどなので、
一段なだらだと約8mで足りるはずだったのですが、
実際にはその倍ぐらいの長さが必要でした。

鏡山さんの本では一反で40mほどの長さが必要って書いてあったのですが、
いやいや、そんなのじゃとても足りません。
これってウチの稲の出来が良すぎたってことなのかなぁ。

確かに分けつは結構太くあったのですが、
いかんせん、イノシシに倒され、食べ荒らされたので、穂は無残な姿です。
倒れた稲にはすずめが集まってきて、喜んで食べるので、もう踏んだり蹴ったりです。
だから、稲束はごついのですが、残っている実の数が少ない。


 
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もうこれ以上、すずめに食べられないようにと、
穂のところにテングスを張っておきました。
少しぐらいなら食べてもいいけど、これ以上はいくら何でも食べ過ぎだろ。

イノシシに倒された稲は
あっちを向いたりこっちを向いたり、
水に浸かっていたり、土にべったりくっついていたりするので、
確かに刈るのがたいへんでした。

それでもやっぱり収穫は収穫なので、
気分としてはすごく楽な感じです。
鋸鎌でスパッと刈る時は、なんだかとても気持ちがいい。

それに比べて、結束の作業が結構きついですね。
そりゃ、数を重ねていくうちに、力の入れ具合もだんだん身についてきたりはするのですが、
後になってはずれないようにと、ひと束ひと束に力を入れながらやるので、
数をこなすとちょっとえらい。

二畝に丸2日かかるとして、、
一反で10日かかるのかぁ。そりゃ、たいへんだ。
明日は雨になるみたいだし、なかなか思うようには進まないしね。

でもまぁ、ぼちぼちやるか。

 
 
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そんなこんなで、今日もいい夕日でした。

2010年10月 5日

米が熟れてきた。

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これは陸稲モチの農林1号。
ここ何日かで、ウチのお米たちもぐっと熟れてきたようです。
こうなると、早く刈らなくっちゃと何だか気がせわしくなります。

 
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こちらはウラ庭のバケツ苗。
茎まで黄色くなってきたので、今日刈りました。

 

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こっちは三郎さん。
もう稲刈りが秒読みに入ってきたので、
今日は一日中、畦の草刈りをして場を清めました。


  
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これはハト麦。
数珠玉の栽培種がハト麦らしいから、これはハト麦。
ハト麦だけちょっと避けて草刈りをしました。

 
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イノシシになぎ倒されたミコトモチが見るほどに不憫で。

もう少し熟れるまでおいておきたい気もするのですが、
倒されて溝に落ちた穂から芽が出てきたりするのを見ると、もう限界。

起こしてあげようかとも思ったのですが、あまりにひどい。
それに後からまたイノシシが入ってきているような気もするし、
やっぱり刈ってしまうことにしました。


 
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草刈りが終わったあと、
なだら(稲架かけ)の稲木を立てる場所を確保するため、
ちょっと稲を刈ってみました。

慣れないから太い束になったり、少なすぎたり。
途中でほどけないようにと、わらに力を込めてぎゅっぎゅっとやっていると、
手の皮がむけてきた。

うーん、軟弱者。
明日はもう少しうまくできるようにしよう。

そうすると明日は、なだらに使う竹を刻んだり、稲刈りをしたり、
そうしてそれをなだらに掛けたり、ですね。
三郎のミコトモチとアヤキヌのところは、明日中にやってしまおうと思います。
その次に陸稲、それからコシヒカリかな。

よし、明日は朝から頑張ろ!

2010年10月 1日

田圃の水を落とした。

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今日、太郎と次郎の田圃の水を落としました。
連休明けの12日から稲刈りを始めようと思います。
だいたい稲刈りの10日前に水を落とすのですが、
これから10日後にどれくらいに実っていくのか、そんなことわからないですよね。

しかしまぁ、ハゼ干しもすることだし、
実際のところは多少のズレがあってもいいような気がします。
もう穂はだいぶ黄色くなってるしね。

 
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水を落としていたら、カラカラの溝のところに亀を発見。
亀って、何か自尊心のあるいい顔してますよね。

こうして田圃から水を落とすと、
これまで水の中に住んでいた生き物がたちまち困ることになる。
カエルも何だか右往左往。
でも、水を入れる前はそもそも水はなかった訳だし。

そんなことを考えていたら、
田圃の外周道路をでっかい猿が二匹ランニングして消えて行った。
あいつらにお米を狙われた日にはどうすりゃいいんだろう。
まったく、先が思いやられます。

 
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遠くの畦には一列にひがんばな。
お地蔵さんの前掛けを思い出す真っ赤な赤。

今日はイノシシに倒された稲を起こそうと思って、
久しぶりに田に入ってみたのですが、
やりはじめると、あっちにもこっちにもイノシシの暴れた跡。

べったりと倒れて、水の中に没した稲穂からは、白い芽が出始めていたり、
踏まれて泥の中に埋まってドロドロになった稲穂を見つけると、
もう何だか情けないやら、哀しいやら。

もっと早く助けてあげりゃよかったと思うもあとの祭り。
「くそー、イノシシのやつめら!」
来年は本格的にトタンでも張り巡らさないといけないののかと思うと、
今から気が重い。

 
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倒れた稲を二束ぐらい、こうやってわらで結んで立てるのですが、
こっちをやっても、あっちも倒れていて、
あっちを立てれば、さらにその奥まで踏みつけれた稲がある。

電気柵も、あるいは効いていないのかもしれません。

こんなことなら、もう全部刈ってしまおうと思ったりする気持ちもよくわかる。
しかしまぁ、もう少しの辛抱。
来週には稲架かけの稲木に使う竹を切ろうと思っています。
たぶん4,50本は要るんだろうなぁ。

 

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その稲架かけの時に稲束をしばるためのわら縄。
このあたりで、「いーじ」とか「えーじ」とかいうものを見よう見まねでやってみたのですが、
全然できない。できたはしからほどけてくる。

私の場合、昔から手指が乾いていて、新聞もめくれないくらいだから、
わらのひねりが思うようにできないのです。
それならと、
しっかりグリップ感のあるゴム手袋を買ってみたのですが、
まったく使いものになりません。
ごわごわして、手袋なんてはめて、わらの作業なんかできやしませんよ。
やっぱり人間の手のもんですなぁ、

あとで聞くと、
横に洗面器を用意しておいて、手を濡らしてやるといいそうな。
なんだ、それでいいんだ。
「いーじ」の編めない身体なんだと、ほとんど諦めかけていました。

1反で1500束ほど必要らしいから、
2反3畝で3500本!
イノシシにやられた分を差し引いても3000本。
果たして稲刈りまでにいーじの製造が間に合うかどうか、
それが喫緊の課題ではあります。