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2010年8月 7日

為山塾の夏

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もう4年目になるのかなぁ。
毎年夏になると、いくつかの保育園さんが宅野にやってくる。

小津辺の浜は、内湾になっていて遠浅だし、あまり大きな波も来ない。
ゴロゴロの石場には、貝やヤドカリがたくさんいる。
透明な水だから、もぐれば小魚の群れが見えるし、時にはタコが歩いていたりする。

こんな海で思いっきり遊んだことは、
きっと大人になっても楽しい思い出となって残っていく。
都会の近郊には、もう海と呼べるような海なんかなくなってしまったけれど、
ここにはまだたくさんの生き物が生きていける海がある。


 
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お腹がすいて戻ってきたら、待ってましたの「そうめん流し」。

そのために毎年、山から太い竹を切ってくる。
竹というのは、だいたいまっすぐに空高く伸びているというイメージがあるけれど、
実際には、まっすぐな竹なんてほとんどないのです。
だからそうめん流しの樋を作るのも、結構たいへんだったりします。
曲がったのを切ったり、いい具合の深さにしたり、角やささくれを丸めたり。


 
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でも、
そうめんを流して喜ぶ子どもたちの声があれば、苦労の甲斐もあるというもの。
そうめんだけじゃなく、トマトを流したり、きゅうりや、タコを流してみたり。
太陽の下でみんなで食べる食事はとびきり楽しい。
 


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食事のあとに、大きな古民家「為山塾(いさんじゅく)」で過ごす昼下がりも格別。
天井が高くて、風がよく通るから、
建物の中はほんとに涼しくて、まるで別世界。
何といっても午後のお昼寝が最高です。


 
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昔ながらのかまどで炊いたごはんのおいしさも、
涼しい縁側に坐って、セミの鳴く庭を見ながら食べた記憶と共に、
きっと子どもたちの心にしっかり残っていくと思う。


 
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広い土間と、それを見下ろすように鎮座する巨大な鳳凰。
このホウオウが子どもたちには大人気。

築130年の古民家は、子どもたちにとっては不思議の国。

以前、海遊びに来たことのあるお兄ちゃんが、
今度は弟にそのホウオウのことを話して聞かせているんですね。
夜、みんなが寝静まった頃に、ホウオウが大きな羽を広げて飛び回るという伝説が、
兄弟の間ですっかり言い伝えになっています。


 
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お昼寝からさめたら、スイカ割り。
子どもたちには真っ赤なスイカがよく似合う。


 
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そうこうするうちに日も暮れて。
海に沈む夕日に、ピーナッツのような韓島も、やがてシルエットになって。

 
こうして過ごした為山塾での夏の記憶は、
今年もまたたくさんの子どもたちの胸の中で楽しい思い出となる。
「また、来たい!」といって、
今度はお父さんとお母さんを連れて、
先頭に立って道案内してやってくる子がいる。
うれしいね。

明日の世界を支える子どもたちのために、
おしつける教育じゃなくて、自分のことを棚に上げたお説教じゃなくて、
大人がしてあげられることって、たぶんそんなに多くない。

きれいな海と自然、奇跡的に残された大きな古民家。
何か作られたものにお金を出して興じるのじゃなく、
ただそこにあるものを、あるがままに体験できることが、本当に幸せなんだと思う。


来年もまた、こういう機会が作ってあげられることを、心から願います。

コメント

お世話なさる方は大変でしょうけど、子供たちに元気を貰って頑張ってください。

ありがとう。
それまで30年簡も空き家になってた古民家なので、子どもたちのはしゃぐ声に、家も喜んでいるのがわかります。

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