雷・風雪・波浪注意報
たまに陽が差したりもするのだけれど、
雪が降りそうで降らないで、風がびゅんびゅん吹いている時が一番寒い。
午前中はそんな風で、午後になると雪が舞いだした。
風雪です。
こんな天気じゃ人は外に出歩こうなんて思わない。
午前中は葱坊主の種取りをして、
午後からは、「よーし」と思って、チェーンソーで木を切ることにした。
ワシントンじゃひどい寒波で非常事態宣言が出たそうだが、
風雪なんかに負けてはいられない。
今までだったら短く6つに切らなくちゃいけなかった丸太も、
新しいストーブなら、3つに切ればいい。
つまり5回チェーンソーを入れなくちゃいけなかったのが、2回で済むということだ。
ガソリンの節約にもなる。
これはやっぱり画期的なことでしょ。
そうやって薪をたくさん作って薪小屋に積んでおくと、
それを見ただけで、何だかとてもリッチな気分になれるんです。
「稲干しのすがた」という本を読んでいます。
今じゃ実った稲は大型のコンバインでガーっとやって、
すぐに機械乾燥にしちゃうところがほとんどなのですが、
まだ自然乾燥が当たり前だった時代に、
その稲の干し方を全国歩いて調べた人がいるのです。
そんなことが貴重になるんですね。
刈った稲はどこでも稲架に掛けるのかと思っていたらそうじゃない。
風の強く吹く土地なんかは、刈ってそのまま束ねて立てておく「地干し」や
田の中に積んで乾かす「積み干し」というのもあるそうだ。
「ハデ二十日」。
二十日間を目安に乾燥の度合いを見計らって脱穀する。
この呼び方もいろいろで、三重や和歌山ではサガリ、
このあたり仁摩町ではナダラと呼ぶ。
温泉津町西田のヨズクハゼは全国的にも有名だが、
試しにやった人がいうには、風が強いところでないと乾きが悪いと。
そのかわり、この組み方は非常に堅固で、大型台風にも倒れなかったということです。
いかに稲架の材料を少なくして、組む手間を省き、
なおかつ、よく乾き、強い風が吹いても絶対に倒れないようにするか。
これがハザカケの至上命題です。
全国各地のスタイルには、その工夫のあとが様々のカタチに残っています。
ハザカケは一反で二人手間。
三叉稲架でサンギ(足材)百二十本、ナガ(横木)が八本。
つまり、約六間の横ざお一本に、五組の三叉足がつくことになる。
稲を束ねるのは、以前は刈った稲の中から四、五本抜き出し、
穂付きの稲で束ねていたが、
その後、前年の稲ワラをなったものを腰につけ、束ねるようになった。
稲ワラをなうのは稲刈り前の夜なべ仕事。
稲の掛け方もいろいろで、稲束を半分に分けて掛けるのをワリガケと呼び、
九対一や七対三などに分けて交互に掛けるのをコデカケという。
ワリガケは乾きが早く、コデカケは遅い。
そのかわり、コデカケだと稲が倍も掛けられ、稲架材の節約になる。
掛け干しした稲の上には、フタと呼ぶ雨よけの稲をのせる。
これにものせ方がいろいろあって、
横木に平行に穂が重ならないように重ねて寝かせていくもの、
横木に直角に穂を片側に揃えて寝かせるもの、穂を交互に出し寝かせるものがある。
これも平行よりは直角に、片側よりは両側に出したほうが稲は多くのせられる。
稲架の立て方としては、南北に長く立てる方が、稲に朝夕の陽が当たりよい。
仁摩町大国でやっているナダラは、「杭立て稲架」というやり方だ。
杭を打ち横木を一本渡す。そしてその下にもう一本の横木。
もともとは、風が強いために横木に稲を掛けただけでは稲が反転して、
飛ばされてしまうため、中ほどに細い竹を渡して防いだという。
今では同じ太さの横木で二段がけにしています。
また稲の掛け方も、昔は九一にして交互に密に掛けていた。
これは、それでも干しあげる強い風が吹くということであったが、
今は七三にしています。
群馬県の方でやっている「三叉井桁稲架」。
これがいいなぁ、と思います。
井桁に組まれることで四方からの風にも強く、
直線に立てたものより、三叉の足が四組少なくてすむ。
屋敷まわりや畦の立木を利用した「立木稲架」。
これも山間では時折見かけます。
これなら横木を渡すだけで組む手間が省けてよさそうだが、
今から木を並べて植えるのもたいへんだし、田の日当たりも悪くなるという。
難しいものだ。
稲架が足りなくなるぐらい、お米が実ればいいんだけどね。