りんごの木村さん
あの奇跡のりんごの木村さんが島根に来るというので、
朝から出雲までお話を聞きにいきました。
木村さんは日本だけじゃなく、
もう世界中に講演に出かけられる方ですが、島根を訪れるのは何と初めて。
日本で46番目に訪れた県で、
まだ行ったことがないのは、あと山口県だけなのだそうです。
農薬や肥料を大量消費する日本の農業のやり方が、
いかに無知で危険で、健康や精神を害するものであるか、
世界的に見ても、恥ずかしいほど遅れているものである、という話しから始まりました。
ドイツの日本への渡航者向けパンフレットには、
「日本の野菜は大量に農薬が使われているから、
食べると体調を崩す恐れがあるので気をつけるように」と書かれているのだそうです。
日本人は、農薬に慣れているから大丈夫なのだ、という解釈がついている。
知らない、ということは恐ろしいものです。
ドイツは農薬や化成肥料の開発をまっさきに進めたり、
それに限界を感じて、早くから国をあげての有機農業に取り組んだりする
環境との共生を考える先進国ではありますが、
その国が今や、国をあげて無肥料・無農薬に取り組んでいます。
日本の次に農薬を大量消費していた韓国でさえ、
今やドイツ同様に、国をあげて無肥料・無農薬の農業を推進しようとしています。
かつて中国の残留農薬が問題になりましたが、
中国は日本の基準に合わせて、日本向けの野菜にだけ大量に農薬を使って
育てているのだそうです。
知らない、ということは恐ろしいものです。
上のスライドは、土の中の肥毒層に関する話ですね。
永年の施肥や農薬散布の結果、
分解できない成分が地下に滞積して、
冷たくて固い層を作ってしまっているのだそうです。
その肥毒層が植物の根が張り、成長するのを邪魔する。
それを壊してやると、根が力強く伸びることができて、
肥料をやらなくても植物は元気に育ち、
農薬を撒かなくても虫がよってきたりしなくなる、
というのが木村さんが人生をかけて、その手と目でつかんだ真実。
このスライドは、りんごの葉です。
虫に食べられたのじゃなくて、病気になった葉の部分を、
りんご自らが、穴をあけて切り離したのだそうです。
りんごの木が始めから備えている自然治癒力を、
ありのままに引き出してあげるのが、本来の農業のやり方だという提案です。
何を食べるかというのは、実はとても重要なことに違いありません。
おかしな健康志向に振り回されて、
そんなもの取るに足りないことだと思ったりする。
それでも、無知な日々の食事内容によって、
身体だけじゃなく、精神でさえ知らず知らず侵されているのだということに、
僕たちはそろそろ気づかなくちゃいけない。
上のスライド、牛舎の写真。
自然農のエサしか食べない牛のフンは臭くない。
4年間、フンを取り出すこともせず、そのままにしてある牛舎の様子。
ウソみたいにきれいなクソだ。
土に一番近いところにいる農家が、
実は環境汚染の最大の加害者だったりするという現実が恐ろしい。
これは田んぼの草取りをする道具。
タイヤチェーン。
これが一番効率がいいんだそうだ。
こうやって引っ張るのだそうです。
大規模農家はこうやって。
やっぱり、自分のお米は自分で作るしかないでしょ。