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2009年7月16日

りんごの木村さん

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あの奇跡のりんごの木村さんが島根に来るというので、
朝から出雲までお話を聞きにいきました。
木村さんは日本だけじゃなく、
もう世界中に講演に出かけられる方ですが、島根を訪れるのは何と初めて。
日本で46番目に訪れた県で、
まだ行ったことがないのは、あと山口県だけなのだそうです。


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農薬や肥料を大量消費する日本の農業のやり方が、
いかに無知で危険で、健康や精神を害するものであるか、
世界的に見ても、恥ずかしいほど遅れているものである、という話しから始まりました。

ドイツの日本への渡航者向けパンフレットには、
「日本の野菜は大量に農薬が使われているから、
食べると体調を崩す恐れがあるので気をつけるように」と書かれているのだそうです。
日本人は、農薬に慣れているから大丈夫なのだ、という解釈がついている。

知らない、ということは恐ろしいものです。

ドイツは農薬や化成肥料の開発をまっさきに進めたり、
それに限界を感じて、早くから国をあげての有機農業に取り組んだりする
環境との共生を考える先進国ではありますが、
その国が今や、国をあげて無肥料・無農薬に取り組んでいます。

日本の次に農薬を大量消費していた韓国でさえ、
今やドイツ同様に、国をあげて無肥料・無農薬の農業を推進しようとしています。

かつて中国の残留農薬が問題になりましたが、
中国は日本の基準に合わせて、日本向けの野菜にだけ大量に農薬を使って
育てているのだそうです。

知らない、ということは恐ろしいものです。


上のスライドは、土の中の肥毒層に関する話ですね。
永年の施肥や農薬散布の結果、
分解できない成分が地下に滞積して、
冷たくて固い層を作ってしまっているのだそうです。
その肥毒層が植物の根が張り、成長するのを邪魔する。

それを壊してやると、根が力強く伸びることができて、
肥料をやらなくても植物は元気に育ち、
農薬を撒かなくても虫がよってきたりしなくなる、
というのが木村さんが人生をかけて、その手と目でつかんだ真実。


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このスライドは、りんごの葉です。
虫に食べられたのじゃなくて、病気になった葉の部分を、
りんご自らが、穴をあけて切り離したのだそうです。

りんごの木が始めから備えている自然治癒力を、
ありのままに引き出してあげるのが、本来の農業のやり方だという提案です。


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何を食べるかというのは、実はとても重要なことに違いありません。

おかしな健康志向に振り回されて、
そんなもの取るに足りないことだと思ったりする。
それでも、無知な日々の食事内容によって、
身体だけじゃなく、精神でさえ知らず知らず侵されているのだということに、
僕たちはそろそろ気づかなくちゃいけない。

上のスライド、牛舎の写真。
自然農のエサしか食べない牛のフンは臭くない。
4年間、フンを取り出すこともせず、そのままにしてある牛舎の様子。
ウソみたいにきれいなクソだ。


土に一番近いところにいる農家が、
実は環境汚染の最大の加害者だったりするという現実が恐ろしい。


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これは田んぼの草取りをする道具。
タイヤチェーン。
これが一番効率がいいんだそうだ。

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こうやって引っ張るのだそうです。


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大規模農家はこうやって。

やっぱり、自分のお米は自分で作るしかないでしょ。