いい人はいいな。

こんなふうに空がぐずぐずしている日は、
朝起きるのにも勇気がいる。
今、ここでこうしている自分が、本当に本当の自分なのか、
わからなくなっちまうんだ。
もちろんそんなこと誰にも話さないのだけれど、
そんな朝は、ちょっと弱気になってしまったりする。
そんなぐずぐずとした身支度のあとに、玄関を開けて驚いた。
玄関には、米袋に入れた薪が5袋も置かれてあった。
かさ地蔵に出会ったような幸福感。
「誰だろ、うれしいなぁ」
こんなふうに、自分は人のあたたかい気持ちに支えられて、
生きていられる。
心当たりのある人があれこれ頭に浮かぶ。
「誰かなぁ」
その時、袋に書かれたメッセージが目に入った。
「シェルブール 三原より」

あっ、フレンチの三原さんだ。
昨日、午後の休み時間にお店に来てくれた。
その時に、チェーンソーで切った松の木の話をしてくれた。
「いるならあげるよ」、と言ってたけれど、
こりゃ、速攻だね。
今朝早くに、持って来てくれたんだろうな。
乾いた松の太いのが、ちょうどいい長さに切ってある。
朝から袋詰めして、重たいのにわざわざここまで運んで来てくれたんだ。
出雲から、往復2時間。
それなのに、声もかけずに、かさ地蔵みたいに置いて帰った。
いい人はいいなぁ。
手斧でストーブのひと口サイズに割って燃やした。
燃やすごとに、心が暖まる。

ありがとう、三原さん。
三原さんのお店で、今度3月28日にクラシックギターのライブをやるって。
意外だけど、18年やってて初めての試みなんだそうだ。
三原さんのおいしい料理を食べながらのライブ。
いいと思うよ。
予約を入れてからどうぞ。
■フランス料理 「シェルブール」■
http://ww5.tiki.ne.jp/~cherbourg/
シェフはあんまりべらべらしゃべらない。
そういうものなのだそうです。
でも、いい人はいいな。
さっきのみぞれをとってきた
あのきれいな松のえだだよ
なんといふけふのうつくしさよ
わたくしは緑のかやのうへにも
この新鮮な松のえだをおかう
いまに雫もおちるだらうし
そらさわやかな
turpentine(ターペンタイン)の匂もするだらう
ありがとう、三原さん。とてもうれしかったよ。


