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2009年1月17日

宅野を売り渡していいのか。

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宅野にゴミ処分場。
そんな降って湧いたような話も、裏側ではかなり前から着々と
手が打たれていたようです。
知らぬは一般住民ばかりなり。

市側と漁協の理事を兼務する地元市議との間にはいったいど
んな話があったのか。

常識で考えれば、地元住民の意見を真っ先に問い、計画に異
議を唱えるはずの地元出身の市議が、宅野を最終候補地とす
る候補地選定委員会において、「決定に従いがんばります。」
との発言。

一般住民を差し置いた、漁業関係者だけの説明会と施設見学
ツアーでは、説明後に「この件をよろしく頼む」と、市議からの直
接の要請があったという。


先日の説明会でも、会場の入り口には市議がにらみを聞かせ、
会場の最前列には、賛成を唱える漁師が、そして最後列には
地元の建設関係者が陣取り、中には地元の市職員が座る。


それだけのことでね。
地元の一般住民は、何か言いたいことがあったとしても、
哀しいかな、口に出せなくなるんですよ。

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都会にいると、靴を履き潰すことなんてほとんどないけれど、
こっちではね。
数ヶ月で、履き潰しちゃうんです。
「ありがとう。靴さん、よく働いてくれました。」

いや、漁師さんの気持ちもわからなくはないんです。
宅野の漁師、わずか18人。60歳以上が8割を越します。
つまり、ほとんどの人はもう何年かで船を手放すことになる。
跡継ぎもいない。

昨今は魚も取れなくなるし、燃料代はどんどん上がる。
漁に出ないと仕事にならないが、漁に出ても足が出てしまう。

そんなに先も長くないし、
もし海に影響が出れば漁業補償の話もある。
安全な施設なら何も問題ないだろう。
そう思うのも、わからないではない。


でも、そんな目先の判断で、
この宅野の豊かな自然と素晴らしい生活環境を
本当に売り渡してもいいのか。

一度、なくした自然環境は戻ってこないのです。


ごく一部の利権を優先する人たちの意思で、
この宅野が売り渡されるのかと思うと、本当にたまらない。
そのなかにも、古くから宅野に住む住民がいる。

それを思うと、本当に情けなくなるのです。


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