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2008年2月25日

お肉のかたまり

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こうしてみると赤に白にと、お肉も美しいものだ。
枝肉から削ぎ取った脂身のところ。
これは、お肉売り場に置いてある小さな袋入りのおまけの脂になるらしい。

今日は食肉公社に連れて行ってもらう機会があったので、
お肉のかたまりを堪能したのでした。
枝肉を部位ごとに切り捌いている職人さんの動きが実にカッコイイのです。


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枝肉が吊り下げられた冷蔵室には、懐中電灯を持って行きます。


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それはね。肉質を確認するためです。
丸い輪になっているのが、ロースの芯のところ。
ここの脂肪分(「サシ」と言います)の蓄積具合で格付けが決まるのです。
AからCの3段階で、各5つのランクに分かれています。
ちなみにこれは島根和牛のA-3。相当いい肉です。


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豚もいました。


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うーん。焼肉が食いたくなった。


2008年2月24日

雪の朝市

昨日あたりから吹雪いていたのですが、
今朝起きると外は真っ白。
風は少し落ち着いてきたみたいだけれど、
こりゃ、やっぱり雪です。少しばかり積もっています。


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しかし、今日は朝市。
買いに来るおばあちゃんたちが滑っちゃーいけんと思って、
来る道の雪かきをやっていたら、
トップバッターのおばあちゃんが8時頃にはもう現れた。
「まだ、しなもんが並んどらんねぇ。」
そりゃそうじゃ、まだオープンの1時間前。

ストーブに火をつけて、中で待ってもらうことにしました。

ピザは雪でも決行です。

今日はちょっと段取りがわるくて、ピザを焼くのに手間取ったけどね。
それでも「幻のドリアン・ピザ」をゲットされた方、おめでとう。
こういうものは好き嫌いがあるけれど、
「うん、これはイケる!」
と、ドリアンを入手してきた本人が結局一番気に入っておったのでした。

さすがに、いつもよりは少しお客さんが少なかったけどね。
それでもこの雪の中、わざわざ足を運んでくれたみなさん、ありがとう。

では、ウチのまわりの雪景色です。

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だいこんも小松菜も、
雪にうもれそうになりながら健気に葉っぱを震わせています。

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あのGoogle、さえも。

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それは数日前の話。
Google アイルランド から「前払い料金受領のお知らせ」というメールが来て、
「お客様より JPY1 XX,000 のご入金があったことを確認いたしました。」
とある。

ん!あたしゃ、そんなもん払った覚えはない。

確かに、Google Adwords は、以前使ったことがあるけれど、
ここ何ヶ月かは全然使っていない。

何が起こったのかなぁ、と2日間ほど考えた挙句、
これはやっぱりGoogleに問い合わせるべきだと思って、
「身に覚えのない入金確認のメール」があったと連絡しました。

すると、しばらく経ってから、
「弊社システムの不具合により、2008年○月○日付けで、
お客様のクレジットカードに誤った請求を差し上げていたことが判明いたしました。」
と戻ってきた。


何と、あのGoogleが「誤請求」。しかも、「システムの不具合」。


そりゃ、つまりこういうことですか。
クレジットカードの番号さえわかりゃ、
システムの不具合めが、
本人の承諾もなしに、
勝手に料金を引き落とすぐらい朝飯前にできるよと、
そういうシステムだったんですね。

知らなかった。
何とも、「おぞい」話です。

「誤請求」の話は、各社いろいろニュースになってるみたいで、
まぁ、人の作ったシステムだから、いろいろあるよ、と他人事に思っていたのですが、
自分の身に起こってみると、そりゃいけん。

システムの不具合めの所為にして、
お金は戻すからいいでしょって、そういうことじゃいかん。
断じていかん。

ってまぁ、だからどうするってこともないですが、
あたしゃ金輪際、クレジットの口座は他とは別々にして、
余分な現金は入れとかんようにする。
だって、インターネットの世界じゃ、クレジットカードなしじゃ結構不便だし、

「無いものは引き出しようがないだろう。」
っていうアナログな戦法でいくしか、
「システムの不具合」めに対抗することはできないじゃないですか。

デュシャンの大ガラス風に言うと、
あのGoogle、さえも、ってやつですよ。
やれやれ。

2008年2月23日

ドリアン・ピザ

あの「果物の王様」と恐れられるドリアンを入手したというので、
さっそくウチで解体してもらった。


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ドリアンというのは、くさいだの、ひどいだのという
噂はたくさん耳にしたが、解体の様子を見るのも食べるのも初めてでした。
数日間、机の上に置いていたのだけれど、
近くを通ると青いバナナのような何ともいい香りがしていたものでした。

しかし、ドリアンの殻はすごく固くて、
あのトゲトゲのせいで、押しピンを挿したように、机がへこむんです。
こりゃーのこぎりがないと切れないということで、
竹を切るのこぎりが登場したのでした。

半分に切ろうとしても、なかなか切れない。

しかし、切り込みを入れると、
すぐに独特の香りがふわーっと、あたり一面に広がった。

ま、脅かされたほどにひどい匂いではないけれど、
確かに独特の香りだ。
白い果肉がカニの身みたいにすじっぽい。
食べてみると、ほのかに甘い。
たぶん、ココナッツの親戚に違いないなぁ。
ドリアン・ミルクみたいな。


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これをね。
ピザのトッピングにどうだろうという話なのだ。


で、やってみると、これが意外といける。


ドリアン独特の香りが残っていて、
食べるとフルーツのほのかな甘みだけが感じられて、
どことなく、ちょっと高級な味がする。

「ドリアン・ピザ」

実は、第一号を食べようとした途端に、土間にひっくり返してしまったのでした。
なんせチーズのところが砂まみれになってしまったので、
第一号はしかたなく、泣く泣く猫ちゃんのエサに。

こんなものを猫が食べるだろうかという心配をよそに、
アツアツのチーズがとろとろの超高級「ドリアン・ピザ」を、
通りすがりの三匹の猫が奪うように食べ尽くしていたのでした。

あつあつの「ドリアン・ピザ」を食べた猫は、
有史以来、恐らく日本でも初めてかもしれない。
宅野の猫、恐るべし。


ということで、明日の「宅野朝市」。
その、幻の「ドリアン・ピザ」がお目見えです。
1枚500円で大放出。売切れ御免。

宅野朝市で「ドリアン・ピザ」を。

明日食べないと、キミはもう一生食べられないかもしれないよ(笑)。

2008年2月20日

去ぬ、逃げる

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冬でも西日は差し込むものだ。
ひとときの晴れ間に、光は磨りガラスを抜けて畳の目を洗う。

その晴れ間を盗み、浜から拾いきた杉の丸太を割る。
木の皮はもうだいぶ潮にやられていて、
欠け落ちた木片から、巣くっていた白蟻が零れ落ちる。

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海には海の掟があって、山の神とは相容れぬ。
今日一日こうしてありましたことを、
自分にはただ感謝申し上げることしかできないとしてもだ。

去ぬ、逃げる、とはよく言ったもの。
何もせぬまま過ぎ行く日々を、
そのままに愛せよとは、とても酷なことの気がするよ。


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だから、ということではないけれど、
凍えるような明るい夜には、
不知火のような月が、雲間にぽっかりと浮かぶのだ。

2008年2月 8日

そろそろじゃがいもを

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久しぶりに青空が見えたから、畑仕事をしようと思った。

苗屋では、そろそろ「じゃがいも入荷」の札が上がっているので、
じゃがいもを植え付ける準備をしなくちゃ、
と思ってはいたのだけれど、

畑には、タマネギやらっきょが植わっていたり、
伸びきらない菊菜や小松菜がちょぼちょぼあったりで、
ずらーっと気持ちよくじゃがいもを植える畝が決められないので困った。

それで、「開墾をしよう!」と考えたのでした。

裏庭の一番奥に3畳ばかりの空地がある。
日当たりもいいのだが、ガラ捨て場に草が生えたようになっていたので
放置してあったのだ。

今日は天気もいいし、
これであんまり暖かくなってからじゃ、
土を掘り返すだけで大汗をかくしね。
少し肌寒い今頃が、身体を動かすとちょうどぽかぽかと気持ちいい。
そう思ってスコップを掴んだ。

しかしいざ掘り進めると、
割れた瓦や、レンガ片や、大きな石、小さな石がごろごろ、
そのうえ、くもやムカデやみみずが出てきた日にゃ、
何だか、いじわる爺さんの「ここ掘れワンワン」みたいで、
途中でもう止めようかとも思った。


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まぁ、しかし荒地の開墾というのは、たいがいこんなものなんだよ、
と気を取り直して、ぼちぼち掘りおこしはじめたのでした。
掘っては石にあたり、石ころを拾っては投げ、投げては石ころを拾い、

そうこうするうちに、幅80cm、長さおよそ2mほど、
ちょうど人一人が横たわれるぐらいの面積を
確保したのでした。

自分の墓は自分で掘る。
今日はここまで。
明日また晴れてたら、隣にもう一人横たわれるぐらいの土を掘って、
この開墾地にじゃがいもを植えることにしよう。


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もちろん、仕上げには大国竹取物語さんの「大国B君」を鋤き込みます。
この竹の肥料はなかなかすごい。
最近は青森のりんご園や、山梨のぶどう園からの引き合いもあるようです。
これで作ったウチの大根なんて、完全生食用。
甘くて果物みたいだから、生のままが一番おいしい。

あなたも試しにぜひ一袋いかが。

2008年2月 5日

掲示板

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前々から思っていたのだけれど、
どこぞにでっかい掲示板をつけたいなぁ、と。

人は頭の中にいろんな思いを持っていて、
あれがしたい、これがしたい、とそのことについて枝葉末節まで考えたり、
ふと思いついた、めっちゃナイスなアイデアを誰かに話したかったり、
誰ぞこんなもの持ってないかなぁ、余ってたらくれないかなぁ、とか、
今度こんなことをやろうと思うんだけど、一緒にやらない?
とか、すごくまじめなメッセージとか。

そういうことを、
例えばカフェの玄関の横のところのブロック塀にでっかい掲示板をつけて、
書いては消し、消しては書き直したり、
そう、そう、こやけのスケッチブックみたいなものね。
 ※こやけ・・・おおやけ(公開)に対して、限定的なな開示のこと。
カフェに来たり、ウチの前を歩く人に見てもらうんだよ。


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その人が、いったい何考えてるのかなんて、
言ってくれなきゃわかんないし。
でも、誰にでも面と向かっては言いにくかったりすることあるし、
どうしても文章で伝えたいこともね。
一度だけじゃなくて、口だけじゃなくて、ずっと宣言し続けたかったり、
そういうことってあると思う。

旗色鮮明に、ってやつよ。
何だ、それなら早く言ってくれればよかったのに、そんなものいくらでもあるがねぇ。
とか、
言ってくれりゃてごに行っただにぃ、
ってことも結構あるからね。

ま、お店の中でもいいんだけどね。掲示板。


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そういえば、最近はお店の中に古着とか置いてます。
ジャンパー500円とか、ワンピース100円とか、激安です。
宅野朝市からの流れ品なので、いいものがさらに安い。
超お買い得です。


そうそう、朝市といえば、もう今週の日曜日に迫りました。
みんな楽しみ宅野朝市
今週の目玉は「餅つき」。2月だから、寒餅です。

平餅に、あん餅、よもぎ餅。つきたてだから、柔らかうまい。
朝9時から、ついて、まるめて、限定即売。お早めにね。

それから、今話題の「シュー兄弟」も新登場。
兄弟別々にパックに入って売られています。
「シュー兄弟」について、詳しくはこちら

じゃぁ待ってるからね。


2008年2月 1日

本当にやりたかったこと(未完)

これから具現化していくプロジェクトがある。


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それは町を作り出すということだ。
町起こしとか、地域活性とか、そんな顔が見えないものじゃなくて、
もっと具体的なアクションでカタチにしていきたい。

例えば、安定したサラリーと引き換えに、
いつも不平不満を言ったり、愚痴をこぼしたり、誰かの所為にしたり、

紙くずのような肩書きでも与えられることで、
何か社会的な役割を担っているような気になったり、

それでもそんなものでもないと、
まるで自分の存在が紙くずのように思えてしまったり、

自分でコントロールできない人生に飽き飽きしながら、
「安定した生活」という巧妙な社会システムから、
いつまでも抜け出せないでいる。

そんなもの、クソッタレだってことに、早く気づかなきゃいけない。


「住む家はどうする。」
「将来、どうやって食っていくつもりだ。」

キミの大切な隣人は、
いざアクションを起こそうと深呼吸するキミの耳元で
いつもお決まりのセリフを囁く。

その使い古された言葉に、
「やっぱりできない」って思い直すほど、キミはもう蝕まれてしまった。

まったく何てこった。

どう生きるかが重要なことで、生活なんてどうにでもなる。
だって、僕たちは食うために生きてるわけじゃない。

そんな簡単なことが分かるまでに、僕たちは何度暗い夜に目を覚ませばいいのだろう。


だから、町を作りたいと思うのだ。

そんなところから早く抜け出して、
自分が「本当にやりたかったこと」を、素直にやり始めることができる。
そういう代替案を示したいと思うのだ。

本来あるべき自分を取り戻すために、
もう忘れようとしていた「生きがい」を、もう一度考え直す人のために、
「生活ルネッサンス」を実践するための、環境としての町を作りたいと思うのだ。


古い皮袋に新しい葡萄酒が注がれるように、
古い町にも新しい住人が移り住む。
新しい店ができることで、その地域に新たな営みが生まれる。
そうして増殖する個の生活単位が相互につながり、
そこに新たなコミュニティが形成される。

そんな風にして、新たな町を作り出したいと思うのだ。

町づくりなんて夢物語だと思うかもしれない。
でも、そういえば世の中はほとんどが夢物語のようなものだ。
明日の朝、目が覚めるのかどうかさえ自分にはわからない。


あたかも錬金術師のように、両の手の平を宙にかざすと、
空気中から引き寄せられた目に見えない粒子がそこに集まり、
それが銀河系のようにぐるぐると楕円を描き始める。
そのうち、小さな塊同士がぶつかり、爆発して火花を散らし、
やがて、夢から覚めたように、
きらめく金の結晶が空からぽろりと落ちてくる。

およそ世の中はそういうもの。
ただ思うだけで、空間なんていくらでも歪んでしまう。


このプロジェクトはもう動き始めた。

ここに新たな人が移り住み、店が生まれる。
個々のシナプスは相互に共鳴し合い、
やがて自転する「町の場」が形成される。
それをめぐり人の流れは大きく変わり、
それを呼吸し、町の増殖はさらに加速度を増す。


そう思えば、僕が本当にやりたかったことは、
本当にやりたかったことを見つけるきっかけを作り出したり、
本当にやりたかったことが、
本当にやれるかもしれないと思える場所を作ったりすることだったかもしれない。

次第に、そう風に思えるようになった。


(未完)