メッセージ(未完)
このままじゃだめだ。
そう思ったことはないですか。僕はずっとそんなふうに思ってた。
何かをつくりたい。何かを実現したい。
どうすれば満足できるのかわからないけれど、
今の自分じゃない、もっとわくわくする生き方がどこかにあるはずだ。
そう思ってた。
やってる仕事がおもしろくなかったわけじゃない。
友だちだって少しはいた。
馬鹿話をして笑ったりすることもあった。
でも、何かが違う。
何か一番肝心なことが、どうしようもなく、根本的に違うんだ。
都会なら、街に出ればお店はたくさんある。
あれやこれや、店先には欲しい気持ちになるものがたくさん並んでいる。
食べ歩きのできる店なんて星の数ほどある。
でも、何かが違う。
そんなことでいくら時間を潰したって、どうにもならない。
そんなことでいくらお金を使っても、どこにも行けない。
そのことが、僕にはどうしようもなくわかってしまったんだ。
TVのチャンネルをいくら変えても、明日は見えない。
自分の足で動かなくちゃどこにも進めない。
そこに座ったままで、ある日人生が塗り変わることなんてないんだ。
求人誌のページをいくらめくったって同じこと。
やりたい仕事なんて見つからない。
人生を託してもいい職場なんて、どのページを探しても載ってない。
それは、自分の中にしかなかったんだ。
僕たちの手の平には、すでに未来の夢が掴まれている。
僕たちの足元には、溢れる自由が広がっている。
僕たちが宅野で実現したいと思っている夢は、
未熟な僕たちのイメージの中に、すでにやさしく包含されていたのだ。
(未完)