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2007年12月 9日

柚子の畑でつかまえて

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久利の山には、おいしい「種なし柚子」がたくさん成っている。
種がなくて、果汁がたっぷりある。レモンのように扱いやすく
て、そのまま丸かじりができる。

これは柚子だけど、皮も果汁もたっぷり使えるから、料理や
お菓子作りにも重宝する。
これを「銀山レモン」というブランド名で売り出そうという話が
盛り上がっています。

今日、柚子農園の人と話をしていたら、結局、農家は人手が
足りないから、農業がこんなことになるんだ、と。

みんな仕事がないないと言いながら、自分の田畑を放棄して、
大手メーカーの、三勤交代制の工場で身体を壊しながら働い
ている。その方がまだ実入りがいいのだという。

農業は人を雇ってたら足が出る。だから、柚子なんかもできる
だけ自分たちだけで、手をかけないようにして、ただ成るだけ
成らせて、最後はクズみたいな値段で、それでも捨てるよりま
しだからと言って、ありがたくJAに引き取ってもらう。

これは、何かが根本的に間違ってますよね。


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例えば、「銀山レモン」が適正価格で買ってもらえるようになれ
ば、柚子で仕事を生み出すことができる。そんなに高い賃金は
払えないかもしれないけれど、知的障害者の施設なんかに委
託して、枝の選定や施肥や摘果をやってもらうことができる。

彼らも仕事がないから、今はたいしてお金にもならないアルミ
缶を潰したりしてんだよね。
市のゴミを横取りしたとか言われることもあるみたいで、そんな
ことやって哀しくなるより、「銀山レモン」の柚子畑で働く方が、
よっぽど素敵だと思いませんか。

そういう話をしながら、これはやっぱり「銀山レモン」を売り
出したい、と強く思いました。

けれども、売れるからといって、農薬を使ったり、ワックスが
けをしたり、大きい実だけを選果して小さいのは捨てたり、
そういう馬鹿なことはしたくない。完全無農薬。葉ずれ枝ず
れあり。竹チップだけで育てる。それでいい。

だって、今のままで充分おいしいから。

卸を通さないとビジネスができないなんて理屈は、もう聞き
たくないですよね。「島根に来ないと入手できない」ぐらいの
ストーリーのあるものをたくさん扱えばいいのだと思います。


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隠れた名品を探して、命名して、ストーリーテラーをやって、
その地に仕事を生み出すサイクルまで作り、そこに新たな
人を呼び込む。そこまで面倒を見る。

つまらない受注・発注のビジネスなんて、もういい。
そういう、楽しくて、人に喜ばれる会社がいいね。

そういうの、ひとつ作りませんか。