いもずなと古民家
カナダのモレーンやレイクルイーズに行かなくったって、
エメラルド色した湖水はこんなところにもある。

カナダは氷河に含まれた鉱物のせいで
絵の具を溶きだしたような美しい湖がたくさんあるけれど、
いろんな鉱物が豊富に眠っているということでは、
三瓶近辺の山々は、なんと驚異的に素晴らしいところだということに
あらためて気づかされる。
このあたりの海岸線だって、
三瓶から流れ出した溶岩が素晴らしい造形を残している。
埋没林だって、はるか昔の大噴火の残滓だ。
そうか。「石見」は石を見る、だもんなぁ。
そういう視点で見直すと、三瓶は母なる山に違いない。
世界遺産なら、それぐらいのスケールでみないといけない。
銀の発掘なんて、たかがおこぼれの砂遊びにすぎないじゃないか。
町並みだってくだらない。
大森もいいけれど、レプリカを作って喜んでるようじゃ、
あまりにもなさけない。
石見には、
かつて「粋」を身に纏った大工や左官職人たちが
遊び心で腕をふるった建築物が
あちらこちらに宝石のようにちりばめられている。
それらが今はみんな捨てられて、朽ちて、
もう土に返ってしまおうとしているんだ。

何十億円もかけて世界遺産の準備をしても
たぶん何にも残らない。
人が合議して決めることなんて、およそそれぐらいのことだ。

鉱物の時間は、はるかに歴史をまたいで積み重ねられる。
僕たちはせいぜい、身の回りの掃除でもして一生を終える。

宅野にはヘルプしてもらいたがっている古民家がたくさんある。
僕は彼らの掃除をする。
風を入れて、建てたときのように使ってあげる。
そこに住んで、磨いて、使ってあげる。
そうすると、何十年眠っていた家が、喜んで光りだすんだよ。
君も、くだらないことやってないで、
一緒に古民家の掃除でもしませんか。
P.S.
そうそう、いもずな、というのはね。
「鋳物砂」
エメラルドグリーンの水溜りは、それがとれる鉱山にある。
それがどこかは、
教えてあげない(笑)。


