トウガラシ、夏の終わり
ウチの第2ファームにトウガラシがたくさんできた。
目の覚めるような赤色が夏の陽射しに負けないくらい赤い。
青いのも少し採って、齧ってみると、冷や汗がでるくらい辛い。
虫も寄せつけないトウガラシは、とってもりりしい。
辛さをめいっぱい内に秘めて、
真っ赤にとんがった実をたくさん逆立てて屹立する。
フフ、俺は甘くないぜ。
お盆は夏休みの里帰りで、
宅野の人口もこの時ばかりは4倍ぐらいに増える。
昨年もウチのカフェに来てくれた方が、
「1年ぶりです。」といって顔を出してくれる。
mixiでしか知らなかった人たちが
「こんにちは」と訪ねて来てくれる。
おじいちゃんやおばあちゃんを連れて、
かき氷やトコロテンを食べに来てくれる人もたくさん。
初めて宅野を訪れる泊り客には、
夕日のプライベートビーチをご案内したりして、
そんな風に、
ばたばたしてる間にお盆も過ぎる。
海にはくらげが出るようになって、
いつまでも暑い夏の日も、
少しずつ様子が変わってくる。
蝉の声が切なくなり、
秋の虫が鳴きはじめ、
やがてまた、ひっそりとした宅野に戻る。