心のジャングル2
こんなふうにしとしとと雨が降る日には、
ソテツが針のような手を、思いっきりぐーんと伸ばす。
むせるような原始の森が息づく。
人が人と気持ちを重ね合わせるのには
どういう流儀が必要なんだろう。
びっくりしたり、とまどったり、気づかないふりをしたり、
怒ってみせたり、笑ってみせたり、少しお世辞を言ってみたり。
人はもういい加減、そんなことは卒業した方がいい。
そんな面倒くさいことをしなくても、
ちゃんと身体以上につながる心があるんだから。
「はじめまして」で手をつないで、海に散歩に出かけましょう。
そして夕日が沈む頃には、海にたゆたう貝殻になる。
七夕のキャンドルナイトのために
僕たちは100個のおむすびを作り、50枚の竹の皮に包んだ。
よくやった。
孟宗の葉は少し肉厚で乾くと固くて包みにくかった。
今度は真竹にする。
自分でやってみて、ひとつだけかしこくなれる。
若いシンガーソングライターは
大地や星や子どもたちの心の美しさを歌にした。
歌っていて涙が出そうになるという。
その涙が伝わってくると、こちらも少しブルーになる。
何故、懸命に生きようとすると、
人は自然の美しさに涙したりするんだろう。
歌い続けることで何かが生まれたりは、たぶんしない。
それでも彼は歌い続ける。