心のジャングル

ソテツというのは何だかすごい。大地に降る雨を全部吸い上げて、
直立した新芽をまっすぐに突き上げてくる。
周りの草ぐさも、その勢いにのぼせ上がったように緑を茂らせる。
あっという間にあたりはジャングルだ。
ウチの畑にも草が生える。作物も育つけれど、草も育つ。
ちょっと気を許すと畑が草だらけになり、草が畑だらけになる。
それでいいんだと思って梅雨の晴れ間に草抜きをする。それで半日が終わる。
人は1日でほんの少しのことしかできない。

今日はおむすびを包む竹の皮を山から取ってきた。
ここ数日の雨で葉っぱが落ちてあまりいいのが取れなかった。
60枚ほど、汚れたのを洗って、水気を拭いて
洗濯ばさみで留めて干して、乾燥機にかけた。それで半日が終わる。
人は1日でほんの少しのことしかできない。
起きて、大切な人にメールして、昼間ひと仕事して、
晩御飯を食べて少し物思いに耽っていると、もう眠たくなってきちゃって
あっという間に一日が終わる。
しなくちゃいけない仕事がどんどん溜まってくる。
でも、本当は別にしなくちゃいけない仕事なんてないのかもしれない。
しなくても、さしあたり誰も困らない。
それでも、「あれはどうなりましたか?」って聞かれると
やっぱり申し訳ないので、それはしなくちゃいけない。信用が第一。
明日はお店はお休みだけれど、朝から美又温泉に行くことになっている。
遊びに行くみたいだけど、これも楽しい仕事のひとつ。
それで半日が終わる。
残りの時間で、今年最後の熟れた梅の実をもぎりに行って、
夕方にはとっておきのパエリアを堪能する。
それで終わり。
人は1日でほんの少しのことしかできない。
そんな生活。
だから、しなくちゃいけない仕事がどんどん溜まってくる。
まったく、困ったもんだ。
ちっとも、困ってないけどね(笑)。


