対面勝負
1
「何だてめぇ。ウチの庭ででかい顔すんじゃねぇぞ。」
って、いったんは受けて立つんだが。
2
「いや、まぁ、時々なら遊びにきてもいいんだけどよ。」
って、一歩下がりながら、耳が裏返ってるよ。
こりゃ、形勢が悪いぞ。
3
「気に障ったら、ごめんな。」
って、
おいおい、下向いて、目ぇしょぼしょぼし始めちゃったよ。
あのドスの利いた顔でにらまれたらなぁ。
よほどアイツが恐かったとみえる。
ウチの猫はこの後、まさに尻尾を巻いて退散したのでした。
しゃーないやっちゃなぁ。
人間がしゃしゃり出る場合じゃないが、
まぁ、よしみもあるし、
「てめぇ、ウチの庭に二度と来んなよ。」って
代わりに舶来のヤクザモンを追っ払って
フォローするしかないじゃないですか。
自分の縄張りぐらい意地でも死守しろよなぁ。
ったく。