« アジの干物 | メイン | カキ氷をやる! »

2006年7月14日

古民家・古家具よみがえらせ研究所

175302371_166.jpg


これは「生活スタイルの組み直し」ということに
絡むテーマだと思うのです。

例えば、東京や大阪からこっちに来て、
都会と同じようにアパートやマンションに住んで、
都会と同じようにスーパーで買い物をするような
そんな生活をしてたんじゃ、不満がいっぱい。
こんな暮らしにくいところはない。

肉だって野菜だって、都会の方が安くて新鮮だし、
着る物だって、遊ぶ物だって、お店だって、本だ
って、そもそもあるものしかないんだもの。
わずかにあるものの中で選ぶしかない。

仕事はないし、給料は安いし、一緒に遊べる友だ
ちもいないし、映画館もないし、遊べるところも
ない。

で、地元の方はどうかというと、例えば古民家に
しろ土間にしろ、お年寄りにはバリアだらけで、
維持するのにも、手間やお金がたくさんかかる、
ただ古くてきつい家屋でしかなかったりする。

少し郷愁があるくらいで、そんなもの早く解いて、
何とかハウスで立て替えた方が、よっぽど快適な
日々が過ごせる。それは実際そうなんだ。

でも都会の人から見れば、古民家や古家具はとて
も渋いし、ファッショナブルだし、インテリアと
して見るとたまらない魅力がある。

そこを改築して住んだり、お店を開いたり、そん
なことが自由にできる空家があるとしたら、喜ん
でやって来る奴も、都会にはたくさんいると思う。

で、そういう空家ならたくさんあるのだけれど、
古家具は今日も燃やされ、古民家はやっかいな産業
廃棄物として次々と壊されていく。

だって、いくら古くて立派で骨董価値があるもの
でも、普通の人にはただ古くて汚くて、置き場に
困るものでしかなかったりするし、
「いいものだからしまっときなさい。」と言われ
て蔵や納屋にしまっていても、いつまでたっても、
やっぱりずっとしまっているだけで、普通の人に
はそれをどうしていいものやらわからないし、結
局どうにもできずに蔵で眠らせている。

こういう物件を、融通のきく大工や左官や都会の
デザイナーや設計家とうまく引き合わせれば、人
の目にもたくさん触れて、いいものだと喜んでも
らえて、地域の財産としても自慢に思えるような、
そんなものが手がけられる。

そういう人たちから、土地や建物や家具をよみが
えらせるアイデアを引き出し、空家や家の改築と
うまくマッチングさせて、シナプスをつなげて行
こうという試みです。

「古民家・古家具よみがえらせ研究所」

伝建地区の古民家再生とはちょっと違って、古き
良き職人の仕事に敬意を払いながら、そこに新し
い感覚を取り入れて、古さ、不便さを日々の生活
環境として楽しむための、よろず相談所です。

スーパーに行かなくても、野菜なら自分の畑で作
ってね。海のそばなら、漁師から雑魚を分けても
らったりしてね。朝は早起き、自然がごちそう。

そういう生活スタイルというものがあるのです。

コメントする